格闘技・プロレス

49歳の女子レスリング元世界女王・山本美憂が無念のタップ負け→涙の現役引退。女子王者・伊澤星花と熱い抱擁も【RIZIN】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.12.31

伊澤(左)のチョークが決まり、タップ負けを喫した山本(右)。写真:永島裕基

 49歳のベテランが、MMAファイターとして最後の生き様を見せた。

 12月31日、さいたまスーパーアリーナで熱戦が繰り広げられている『RIZIN.45』。第13試合はRIZIN女子スーパーアトム級王者の伊澤星花が、この試合で現役引退を発表している元女子レスリング世界女王の山本美憂と対戦。RIZINの絶対女王が2ラウンド37秒過ぎ、山本の一瞬の隙をつきネイキッドチョークで締め上げてギブアップを奪った。

 第1ラウンド序盤から伊澤が山本の首を引き込むようにキャッチして下からチョークで締め上げを狙う。49歳のベテランは劣勢な展開になるも、最後はなんとか首を引っこ抜き、ピンチを脱した。

 ところが第2ラウンド直後、伊澤が再び山本の首を掴むと、立った状態からネイキッドチョークで締め上げると、山本はたまらずタップ。一瞬の隙を見逃さなかったRIZINの若き女王が、かつて女子レスリングで世界の頂点を極めた女王に引導を渡した。

 試合後、健闘を称えた両者は涙を流しながら抱擁。伊澤は「ありがとうございました。山本美憂選手は小さい時からレスリングトップで戦ってきて(自分が)格闘技を始めるきっかけでした」と涙ながらに話し、憧れの女王に感謝を述べた。
 

 現役最後の試合を一本負けで終えた山本は、試合後に引退セレモニーを開催。セレモニー中は涙が止まらず、「勝ってリングを降りるつもりだったから、不思議な気持ち。本当に最後の終わり方と一緒で、戦歴的には本当に良くない選手だったにも関わらず、RIZINの皆さん、ファンの皆さんが変わらず応援してくれている。こんな幸せなアスリートはいないと思っている。本当にありがとうございます」と会場のファンに謝辞した。

 五輪出場は叶わなかった最強のレスリング女王は「本当は寂しいが、また新しいことに挑戦したい」と前を見据え、2016年9月から戦い続けたRIZINのリングに別れを告げた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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