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格闘技・プロレス

榊原信行CEOが“9回目の大晦日”で実現できた喜怒哀楽が詰まったRIZINの世界観。一方、『パッキャオvsメイウェザー』実現の可能性は?

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.01.02

リングに上がったボクシング界の伝説パッキャオ(右)と固く握手する榊原CEO(左)。写真:永島裕基

リングに上がったボクシング界の伝説パッキャオ(右)と固く握手する榊原CEO(左)。写真:永島裕基

「準備はできています」

 フィリピンの英雄はそう答えた。RIZINの榊原信行CEOとリング上で固く握手したボクシングの元6階級制覇王者マニー・パッキャオは、同5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)との世紀の一戦を、2024年こそ実現するため、満員御礼(2万3013人)となったさいたまスーパーアリーナに駆けつけたファンに約束した。
【RIZIN PHOTO】さいたまスーパーアリーナを熱狂の渦に包んだ激闘を厳選ショットでお届け!

 2023年12月31日、大晦日の風物詩である『RIZIN.45』が同会場で開催された。第15試合終了後、榊原CEOは「今年は試合が組めませんでした」とファンに詫びると、フィリピン人ボクサーをリングに招き入れ、「2024年、必ずRIZINのリングで試合してもらいます」と宣言。ボクシング関係者や世界の格闘技関係者が仰天するドリームカード「パッキャオvsメイウェザー」の実現を、あらためて誓った。

 パッキャオは「準備はできてます。来年、ぜひ皆様に会ってメイウェザーとやれるように頑張りたいと思います」と前向きな答えをし、RIZINのリングで力強く拳を握った。
 
 この日すべてのカード終了後、榊原CEOは今大会を「RIZINとして9回目の大晦日でありますけど、9回目にして我々が見せたかったRIZINの世界観ができた」と評した。

 同CEOが振り返るように、今大会は各カードでドラマが盛り沢山だった。

 例えば、RIZINのリングで「神童」と呼ばれ無双の活躍を見せた那須川天心の実弟・龍心のデビュー戦勝利。女子レスリングの元世界女王・山本美憂の引退試合。前日計量で体重超過し、”王座剥奪”の憂き目にあったフアン・アーチュレッタ(米国)と異例な条件の中で対峙した朝倉海は強烈な右膝をボディに炸裂させ、RIZINバンタム級王座を見事手中に収めた。

 一方で、次世代を担う若いファイターの名勝負も生まれた。平本蓮とYA-MANは戦前、SNS上で激しい舌戦を繰り広げ、リングでも互いが闘争心剝き出しでパンチを応酬しあうほど死闘を演じた。結果は判定(3-0)で平本が勝利。敗戦後、YA-MANはリングに伏せて人目をはばからず号泣。因縁の相手に悔しい結果となったが、手に汗握る激闘にファンは大きな拍手で若武者に労いを送った。

 そしてメインイベントでは、『史上最強のメイド・イン・ジャパン』堀口恭司が神龍誠との再戦を制し、RIZINフライ級の初代王者に輝くと、なんとリング上で元RIZINガールの川村那月さんに公開プロポーズ。見事成功させ、最高の形でフィナーレを飾るほど筋書きのないドラマが次々生まれた。
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