混乱に満ちたタイトルマッチは会心のTKOで幕を閉じた。

　12月31日、さいたまスーパーアリーナで『RIZIN.45』が開催された。セミファイナルはRIZINバンタム級選手権が行なわれ、挑戦者の朝倉海がフアン・アーチュレッタ（米国）と対戦し、２ラウンドに朝倉の鮮烈な右膝が炸裂し、30歳の日本人ファイターが新王者に輝いた。

　前日計量で同級王者だったアーチュレッタが「2.8kg」オーバーし、王座を剝奪。主催者と両陣営が協議した結果、試合当日にアーチュレッタが「68kg以内であった場合のみ」試合を実施という条件のもと、試合１時間前に前王者が計量をクリア。試合の裁定は朝倉が勝利した場合のみ、公式記録として王者に認定。逆にアーチュレッタが勝利した場合は、無効試合となることが試合前に発表されていた。

　異例な状況で行なわれた第１ラウンドは２分過ぎ、アーチュレッタの強烈な右が朝倉を襲い、テイクダウン。前王者はチョークを狙ったが、朝倉はなんとかこれをくぐり抜け、終盤はパンチで反撃した。
  　迎えた第２ラウンド。アーチュレッタが左パンチを放ったところ、カウンター気味に朝倉の右膝がボディにヒット。米国人ファイターは苦悶の表情を浮かべて崩れ落ちると、これを朝倉は見逃さず、猛烈なパウントを連打。一気に試合を決めた朝倉がチャンピオンベルトを奪取した。

　波乱に満ちたタイトルマッチを制した朝倉はコーナーポストに上がり、雄叫び。７月の『超RIZIN2』では、無念の怪我により欠場したファイターが完全復活を果たした。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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