ボクシング界を席巻する”神童”の弟が、衝撃的なMMA（５分３ラウンド）デビュー戦を遂げた。

　12月31日、さいたまスーパーアリーナで格闘技イベント『RIZIN.45』が開催され、那須川天心の実弟である龍心が韓国出身のシン・ジョンミンと対戦。２ラウンド２分16秒、上からの連続パウンドでTKO勝利を収め、年末の大舞台で強烈なインパクトを放った。

　キックボクシングで通算９戦７勝（２敗）の実績をほこる龍心。実兄・天心は格闘技戦績47戦全勝（キックボクシングは42戦）を誇り、鳴り物入りで今年２月にボクシングへ転向し、デビュー後は２戦２勝。東洋太平洋スーパーバンタム級６位につけ、来年１月23日には世界ランカーと相まみえる。

　そんな偉大な兄が数々の激闘を繰り広げ、無敗で戦い終えたRIZINのリングで、今度は弟・龍心が雷鳴を響かせた。
  　序盤に龍心は強烈な右を放ったが、シン・ジョンミンにかわされると、そのまま三角締めの態勢に。韓国人ファイターのサブミッションにこのまま屈するかと思われが、これをなんとか脱出。鼻から失血するも、闘争心は失わなかった。

　２回にマウントを奪うと、下から何発も膝蹴りを放ちリズムを掴んだ龍心。強烈なパウンドを左右から放ち有利に進めると、２分過ぎには実兄・天心を彷彿とさせるような連続パンチを怒涛のように放ち、相手の戦意を完全に喪失させると、レフェリーはたまらずストップ。兄貴に負けない電光石火のスピードで、17歳のファイターが勝利の雄叫びを上げると、弟のファイトをリングサイドで見守った天心も手を叩き絶叫した。

　MMAデビュー戦を会心のTKOで収めた龍心。神童伝説の系譜を受け継ぐ「心童」はマイクを手に持つと「やったぞー！」と絶叫。涙を流しながら「危ない場面もあったけど、勝てて良かった。これからもMMAをやっていきたい」と決意を誓った。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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