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マラソン・駅伝

総合Vの立役者・志貴勇斗キャプテン――青学大を支える大黒柱が意識改革!「強い先輩が抜けたことで...」【箱根駅伝】

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2024.01.04

今大会は影でチームを支えた志貴キャプテン。写真:JMPA

今大会は影でチームを支えた志貴キャプテン。写真:JMPA

 箱根駅伝で2年ぶり7度目の総合優勝を飾った青山学院大。16名のメンバーから漏れたものの、志貴勇斗キャプテンがチームをまとめたからこそ、掴んだ栄光である。

 歓喜の瞬間から約3時間半後、優勝メンバーの横には志貴の清々しい姿があった。1年間、チームの大黒柱として個性豊かなメンバーを支えてきた彼は、「なあなあで済ませる関係ではなく、厳しいことも言い合える。そして横のつながりと縦の繋がりもしっかりある。そういったチームを作っていきたいと思っていた」と就任時を振り返った。

 新体制となって始動した青学大は、当初まとまりがなかったという。夏合宿のミーティングで意識改革を図った主将は、「強い先輩が抜けたことで、競技に身が入っておらず、気持ちがチームの方に向いていなかった部分があった」と明かす。

「他大学に入賞されてしまったり、私生活では寝坊も。些細なミスですが、そこを厳しくしないと。去年の失敗としてブレーキが…。全員が100パーセントの走りを出しきるには、やっぱり一つひとつ細かいことをきちっとやっていくべきだと思った」

 みんなの気持ちは徐々にひとつになった。
 
 チームの成長を誰よりも考えた志貴だが、11月の記録会では自身の成績が振るわなかった。それでも歴代の主将の姿を思い出し、最後までチームのために尽くした。

「11月末の記録会で成績が出なかったので、箱根は無理だろうなというのは自覚していて、少し落ち込むこともあった。神林(勇太)さんや去年の宮坂(大器)主将の悔しくても最後までやりきる姿とチームに明るく接する姿を見てきた。僕も先輩方をお手本にして、できることを一つずつやろうと思いました」

 12月28日のミーティングで原晋監督は選手に「準優勝でいいよ」と言ったようだ。それでも志貴は「僕たち4年生は、1年生の時から『自分たちが4年生の時は優勝したいよね』っていう話をしていた。そこでメンバー外の4年生が話す機会を作って、それぞれの想いを喋ってもらった」と明かす。メンバー外との想いを共有したことで「チームに一体感が生まれた。いい方向に進んでくれて本当によかった」と胸を撫で下ろした。

 困難に立ち向かったからこそ、喜びもひとしおだろう。

「出られてない4年生の想いも背負って走ったと言ってくれて、本当に嬉しい。優勝できたことは、やっぱり後輩たちのおかげでもある。こうやって胴上げもさせてもらって、本当に恵まれたと思う」

 最後の箱根路は同期である倉本玄太の給水として数百メートル並走した22歳。「みんなが支えてくれた。僕がキャプテンとして能力があるかと言われると、僕よりも能力がある人はいる。そのなかでキャプテンを続けてこられたのは、チームの皆がついてきてくれたおかげ。皆に感謝したい」と口にした。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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