パリへの切符に大きく前進する日本記録が生まれた。

　１月28日、今夏のパリ五輪代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソンがヤンマースタジアム長居発着で行なわれ、前田穂南（天満屋）が２時間18分59秒でフィニッシュ。アテネ五輪金メダリストの野口みずきが持つ２時間19分12秒（2005年）の日本記録を13秒上回る快走を見せた。

　レースはハイペースで進んだ。25キロ過ぎに前田はペースメーカーの前に出ると、後続を引き離しにかかり、ギアをさらに上げた。先頭を走る前田は30キロ付近を１時間38分36秒で通過。日本記録を上回るペースで終盤まで突入した。
  　海外招待選手のウォルケネシュ・エデサ（エチオピア）が先頭でヤンマースタジアムに入り、前田は２番手として日本人最上位で戻ってきた。エデサが２時間18分51秒でトップ。終盤まで日本記録を更新するペースで走った前田も充実した表情でゴールテープを切った。

　同大会は、パリ五輪代表の残り１枠を争う「MGC（マラソングランドチャンピオンシップ）ファイナルチャレンジ」の対象レースで、２時間21分41秒の設定記録を突破した最上位が代表候補に名乗りを上げる。昨年10月に行なわれたMGCで既に鈴木優花（第一生命グループ）と一山麻緒（資生堂）がパリ五輪代表に内定しているため、最後の１枚は今大会、もしくは３月10日の名古屋ウィメンズマラソンで２時間21分41秒の設定タイムを突破した記録最上位の選手が獲得する。

　東京五輪代表ながらMGC７位と振るわず、悔し涙を流した前田が五輪内定に大きく前進する19年ぶりの日本新記録を叩き出した。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】19年ぶり日本記録更新！前田穂南がパリ五輪代表「最後の１枠」に大きく前進！