ラグビー

スーパーラグビー強豪相手の快勝劇を引き寄せた堀江翔太の金言。今季限りで引退の38歳が試合前にかけた言葉と後輩たちへのメッセージ

向風見也

2024.02.07

後輩たちへの確かな助言で埼玉WKに金星をもたらした堀江。(C) Getty Images

 大事なことが復習できた。自分より8歳年上の堀江翔太のおかげだ。埼玉パナソニックワイルドナイツの坂手淳史主将は、先輩の言葉を回想する。

「前半のスタート(が大事)。言い方はよくないけど、(相手はこちらを)いじめてくる、タフにくる。そこを、正確性を持って跳ねのけよう」

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 2月4日、本拠地の熊谷ラグビー場。今季新設したクロスボーダーラグビーの一戦で、ニュージーランドのチーフスと戦った。国際リーグのスーパーラグビーを代表するハードワーカーたちだ。

 前半3分からの約3分間、ワイルドナイツは自陣で20フェーズものアタックを耐えた。若手主体のチーフスによる突進主体の猛攻を、ベストメンバーによるタフさと「正確性」で「跳ねのけ」た。球を回した先に防御ラインの網をかけ、破られた折も素早いカバーリングで事なきを得た。

 元チーフスのラクラン・ボーシェ、南アフリカ代表経験者のルード・デヤハーといったスーパーラグビー経験者のみならず、24歳の福井翔大、26歳のディラン・ライリーのような若き日本代表戦士も鋭いタックルを決めた。

 攻守逆転。ここから堅陣とキック戦術の組み合わせでペースを掌握した。結局、38-14という快勝劇のきっかけを作った堀江に、フッカーで先発の坂手はこう感謝する。

「スーパーラグビーを経験していない選手にとってはいい助言になった。僕らはスーパーラグビーを何回か経験しましたが、忘れている部分もあったので、思い出させてくれる助言でもありました」

 堀江は身長180センチ、体重104キロの38歳。坂手がこれまで2度出てきたワールドカップへ2011年から計4度出場し、スーパーラグビーへは13年からの2シーズンはオーストラリアのレベルズ、16年からの3シーズンは日本のサンウルブズの一員として挑んだ。サンウルブズでは初代主将にもなった。

 自ら「いろいろな(スタイルの)ラグビーを経験するのが大事」と話すのを裏付けるように、この集団競技への造詣は深い。ワイルドナイツでは、防御方式の構築そのものにも携わっている。
 
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今季限りで引退。後輩へのメッセージは「いろんな小技をしているので盗んでほしい」