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フィギュア

「気づいてくれ…」羽生結弦も頭を抱えた!? 大会4連覇で宇野昌磨にようやく芽吹いた、王者の自覚【全日本フィギュア】

THE DIGEST編集部

2019.12.23

試合を終え、会見では笑顔もみせた宇野。 写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

試合を終え、会見では笑顔もみせた宇野。 写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 12月22日、東京・代々木体育館で行なわれた全日本選手権の全日程が終了。男子シングルは、フリースケーティングでショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨が、SP1位の羽生結弦を上回る総合290・57点をマークし、同大会4連覇を達成した。

 過去の3大会は、いずれも羽生が負傷のために参加していなかった。ようやく実現した全日本選手権という舞台での対峙だった。

 記者会見に登場した宇野は、「今までユヅくんが居ない大会で、3回勝ってきた。でも、日本の誰も、僕が全日本の王者だと気づいていなかったと思う。僕自身も(チャンピオンだという)自覚もなかった」と吐露。

 それを隣で聞いていた羽生は思わず、「(自分の立場に)気づいてくれ……」と苦笑いを浮かべてがっくりと項垂れた。宇野の実力を評価しているからこその反応だろう。

 その羽生の反応に一瞬笑みを浮かべた宇野だったが、このように語った。

「日本の男子シングルの、スケートのレベルは高いので、その中で優勝できたことはうれしく思う。でもきっと、僕自身もそうだけれど、日本中の方は全員、日本で一番うまいのはユヅくんだと思っているはず。

 だから、僕のスケート人生において、五輪よりも大きな目標が、羽生選手に一度でもいいから勝つことだった。それだけ僕にとって、特別で大きな存在」
 
 そして、噛みしめるように続けた。

「フランス大会があってよかった。あの大会がなかったら、きっと今ここにはいない」

 今季はコーチ不在で臨み、11月に行なわれたグランプリシリーズ・フランス杯では8位に沈むなど「どん底」も経験。だが、ステファン・ランビエール氏のアドバイスで復調のきっかけをつかみ、今の宇野は、あふれ出んばかりのスケートの喜びに包まれている。

「今回の結果は、偶然が積み重なったところがたくさんあると思う。でも、今シーズンは苦しい時が続いて、それでもスケートをやめずに、ここまでやってきた。そのことが、良い方向に向いて良かった」

 1月からは、正式にランビエール氏のもとで研鑽を積み、来年3月にはカナダのモントリオールで開かれる世界選手権に、全日本王者として臨む。昨季は同大会で表彰台に届かず、4位に終わっている。

「ここ数年は世界選手権でいい演技を披露できていない。でも、今回と同じ気持ちで挑んでいきたい。良い結果を出したい」

 4度目にしてようやく羽生と同じ土俵で戦い、勝利したことで、目覚めつつある王者の自覚。宇野らしい力強さと幸福感に満ちたスケートは、世界の舞台でも輝くはずだ。

取材・文●熊介子(THE DIGEST編集部)

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