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「世界トップレベル」平野早矢香が”黄金世代3人”の連勝に感嘆する一方で、パリ切符獲得の楽勝ムードに警報「世界卓球の怖さを改めて知る試合」

THE DIGEST編集部

2024.02.18

日本女子の黄金世代3人。左から伊藤、早田、平野。(C)Getty Images

日本女子の黄金世代3人。左から伊藤、早田、平野。(C)Getty Images

 楽勝ムードを引き締める警報を鳴らした。

 現地2月16日からパリ五輪の団体戦出場切符が懸かる卓球の世界選手権団体戦が韓国・釜山で開幕した。パリ切符を狙う世界ランク2位の日本女子は初戦で同19位のルクセンブルクと戦い、3-0のストレートで撃破。続く第2戦はイラン(同35位)と激突し、伊藤美誠、平野美宇、早田ひなの「黄金世代」を揃えたオーダーを組み、2日連続のストレート勝ち。日本は暫定首位で好スタートを切った。

 今大会は男女各40チームが参加。8つのグループに分かれたリーグ戦のあと、各グループの上位3チームによる決勝トーナメントが行なわれ、ベスト8に進出すればパリ五輪の団体出場権が獲得でき、シングルスの男女各2枠も確定する。

 2戦連続のストレート勝利を収め、好発進した女子の日本代表だが、ここまでの戦いぶりは決して圧倒的とは言い難い。初戦のルクセンブルク戦では15歳の張本美和が東京大会を含め、五輪5大会に出場する世界的レジェンドのニー・シャー リエンに苦戦。還暦を向けた中国出身の大ベテランの変則的な打球に張本は手こずるも、第1ゲームをデュースの末に奪取。その後はサーブで主導権を握り、なんとか「45歳差」の対決をストレートで制した。
 
 続くイラン戦では、2番手で登場した世界ランク18位の平野美宇が同709位のアシュタリに大苦戦。相手の精度の高いブロックやプッシュに翻弄され、いきなり6-11、9-11と平野は連取され、早くもストレート負けの崖っぷちに追い込まれる。第3ゲームは11-6で奪い取ったものの、第4ゲームはデュースに持ち込まれ、なおも先にマッチポイントを握られて絶体絶命のピンチに陥った。

 だが、熾烈な争いだった国内のパリ五輪シングルス代表権を掴み取った23歳は、ここから底力を発揮。13-11で逆転し、このゲームをモノにすると、最終ゲームも再びマッチポイントになる接戦を13-11で勝ち切り、ゲームカウント0-2から土壇場で逆転勝利。流れをイランに渡さず、3人目の早田にバトンを渡した。全日本女王は盟友の熱戦に応えるかのように、貫録のストレート勝ち。チーム一丸で勝利を手にした。
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