格闘技・プロレス

「国民的英雄だ!」村田諒太の王座初防衛を米専門メディアが絶賛! 気になる次戦はブラントとのリマッチに!?

THE DIGEST編集部

2019.12.24

村田は今年7月にブラント(左)を下して勝ち取ったチャンピオンベルトを見事に防衛した。(C) Getty Images

 33歳のチャンピオンが圧巻の防衛劇を披露した。

 12月23日に横浜アリーナで、ボクシングのWBAミドル級チャンピオンの村田諒太(帝拳)は同級8位の挑戦者スティーブン・バトラー(カナダ)を相手にTKO勝ち(5回2分45秒)を収め、今年7月に奪還した王座の初防衛に成功した。

 まさに王者の堂々たるファイトだった。「控室ですごく調子が良くて、『これなら倒せる』という気持ちがどうしても生まれてしまった。やべって思った」と語った本人の言葉にもあるように、序盤戦はやや力みが見られた村田。キャリアでのKO率が80パーセントを誇る難敵バトラーの積極果敢な攻めに押されるシーンが目立った。

 だが、そこは幾多の死闘をくぐり抜けてきたチャンプだ。徐々に落ち着きを取り戻すと、攻勢を一気に強めた3回以降は、完全に主導権を奪う。そして効果的にパンチをヒットさせていた5回、右ストレートから最後は渾身の左フックで勝負を決めた。

 村田が見せた貫録の初防衛に海外メディアも賛辞を贈る。

 アメリカのボクシング専門メディア『Boxingscene』は、村田のパフォーマンスを「ムラタは横浜の夜に一方的な戦いぶりを見せ、『Bang Bang』ことバトラーを5ラウンドで打ち破った」と称え、次のように続けた。

「3回にムラタはチャレンジャーを一方的に押し続けた。その途中にバトラーの顎に右のパンチを叩き込むと、休むことなく攻勢を強め、試合の流れを掴んだ。バトラーにとっては、試合を長引かせるだけ、状況は悪化するばかりだった。心身ともに疲労困憊気味の相手に攻勢を保ち続けたムラタは、反撃を恐れる必要性などなかった。その時点で勝負は決まっていたからだ」

 今年7月にロブ・ブラント(アメリカ)への雪辱を果たし、それからおよそ5か月で最初の防衛を成し遂げた村田。そんな王者の1年を『Boxingscene』は、「国民的英雄となった男は、ほぼ1年間同じ称号を保持し続けた」と評したうえで、注目の次戦をこう展望した。

「東京に拠点を構える人気沸騰のミドル級王者は、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)やサウル・アルバレス(メキシコ)との注目度が必然的に高まるマッチメイクを求めている。しかし、それよりも可能性が高いシナリオは、リングに戻る準備ができ次第だが、ブラントとの契約上で義務付けられた3度目の対戦だろう」

 初防衛戦後には、リング上で、「やっぱ皆さん、(井上)尚弥の試合を見ても思ったと思うんですけど、"リアル"と戦ってほしいと思っている。会長、リアルな試合をお願いいたします」とビッグネームとのメガファイトを切望した村田。はたして、次なる対戦相手はいったい誰になるのか。その動静が注目される。

構成●THE DIGEST編集部
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