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ドバイワールドカップデーに日本馬が総勢16頭集結! 初の海外GⅠ狙うデルマソトガケが来年2月に定年迎える恩師に花束を「ぜひ勝って帰りたい」

三好達彦

2024.03.30

サウジC5着のデルマソトガケ。初の海外GⅠ制覇を狙う。写真:産経新聞社

サウジC5着のデルマソトガケ。初の海外GⅠ制覇を狙う。写真:産経新聞社

 日本の競馬ファンにとっても、春の風物詩になったドバイワールドカップ・ミーティングが今年も日本時間の30~31日にかけて開催される。馬券の発売は今回も「JRAプール」の方式で行なわれ、インターネット投票とUMACA投票での購買が可能となる。

 メインのドバイワールドカップの4頭をはじめ、ゴールデンシャヒーン、ターフ、シーマクラシックの3レースを含めて総勢16頭の日本馬がスタンバイ。31日に阪神競馬場で開催される大阪杯(GⅠ、芝2000m)が手薄に感じるほどの精鋭が、中東での祭典でビッグタイトルに挑む。

 やはり一番の注目を集めるのはメインのドバイワールドカップ(G1、メイダン・ダート2000m)。ここには日本から、ウシュバテソーロ(牡7歳/美浦・高木登厩舎)、ウィルソンテソーロ(牡5歳/美浦・小手川準厩舎)、デルマソトガケ(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)、ドゥラエレーデ(牡4歳/栗東・池添学厩舎)が出走する。
 
 実績的には、サウジカップ(G1、キングアブドゥルアジーズ・ダート1800m)で火の出るような叩き合いを演じて1、2着を分け合ったセニョールバスカドール(牡6歳/米・T.フィンチャー厩舎)と、昨年の覇者である日本のウシュバテソーロが人気上位となるのが必然だろう。

 だが、ここで積極的に推したいのは、サウジカップを5着で終えたデルマソトガケだ。

 ご存じの方も多いだろうが、前走のデルマソトカゲは休み明けのうえ、輸送機のなかで顔に外傷を負い、サウジアラビアへ到着してから馬場入りを控える日があったりと、調整過程が大きく狂ってしまった。それでも、レース当日までには一応の仕上がりまで持って行ったものの、万全の出来とは言い難かった。

 レース後、音無調教師は「今回はトラブルがあって思い通りにはいかなかったが、次(ドバイ)は良くなってくれるでしょう」とコメント。差し脚が鈍っての5着という結果にもかかわらず、悔しさはあるにしろ悲観的なムードは感じられなかった。

 ドバイへ移動してからは理想的な調整ができたこともあり、トラックでの追い切りで迫力あるフットワークが戻っている。そうなると昨年のブリーダーズカップ・クラシック(G1、サンタアニタ・ダート2000m)で2着に入った力量は他馬より一枚上。2023年のUAEダービー(G2、メイダン・ダート1900m)において”持ったまま”2着に0秒9もの差を付けて逃げ切りで圧勝したように、舞台がメイダンに替わるのもプラス材料だ。休養明けをひと叩きされて、先行有利の馬場で持ち前のスピードを活かし切ってくれるだろう。

 音無調教師は「来年の2月で定年になりますから、私にはもう来年のドバイはないです。デルマソトガケにタイトルを取らせてあげたいのはもちろんですが、私もドバイでのラストチャンス。ぜひ勝って帰りたいと思っています」と語って腕を撫している。

 日本馬のなかではウシュバテソーロに次ぐ人気になるだろうが、それでも筆者はデルマソトカゲの「アタマ固定」で票を投じたい。

 相手はサウジカップの1、2着に前走でメイダンを舞台にG1ウィナーとなった通算成績11戦10勝(2着1回)のカビールカーン(牡4歳/米・D.ワトソン厩舎)を加えた3頭が本線。サンタアニタハンデ(G1)を勝利し、米国を代表する伯楽B.バファートが剛腕のランフランコ・デットーリ(イタリア)を鞍上に据えて参戦する、米国のニューゲート(牡4歳)も押さえておきたい。
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