ラグビー

「ONE TEAMをも超えて…」「横浜の夜が忘れられない」英高級紙がスコットランド撃破のラグビー日本代表をあらためて大絶賛!

THE DIGEST編集部

2019.12.27

超満員に膨れ上がった横浜国際でジェイミージャパンが躍動! この福岡の2トライなどでスコットランド相手に世紀の逆転勝利を収めた。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 いまだ、鮮烈な記憶として脳裏に刻まれているようだ。

 現地12月26日、英高級紙『The Guardian』のラグビー番記者で主筆のアンディ・ブル氏が、ひとつのコラムを寄稿。お題は「2019年で"開いた口が塞がらなかった"スポーツの瞬間」で、言うなれば記者が考える今年の最高の瞬間だ。そこでブル記者は迷わず、先のラグビーワールドカップで日本代表がスコットランドを撃破したあの一戦を挙げた。

 もちろんブル記者の心を震わせたのは、白熱したゲームだけではない。大会取材で来日していた彼は、横浜総合国際競技場での大一番に至るまでのさまざまな出来事、そして勝利後のジェイミージャパンとサポーターの歓喜に触れ、ラグビーというスポーツがもたらした偉大な瞬間を目の当たりにしたという。

 コラムでは台風19号の接近に備えるワールドラグビー(ラグビーの国際統括機関)の葛藤、試合中止を危惧するスコットランド側の抵抗、それを受けて日本代表の闘志に火が付いた点などをひとつずつ回顧しつつ、次のように試合当日の様子を振り返っている。

「台風によって本当にたくさんの方が犠牲となり、多大な経済損失がもたらされた。それでも台風が過ぎると日本の人びとは横浜のスタジアムを総出でクリーンアップし、控室に入り込んだ水を吸い出して、夜の試合への準備を粛々と進めた。午前中には周辺道路はすっかり綺麗になっていて、電車は動き、警察や医療機関も通常通りに機能している。あの横浜周辺の素晴らしいポジティブな空気が、私はいまでも忘れられない」
 日本は開始早々に先制トライを許すも、揺るぎない信念でスコットランドと対峙し、松島幸太朗、稲垣啓太、福岡堅樹がトライを決めて逆転に成功。終盤は敵の猛攻に晒されるも、28対21で見事に勝ち切り、史上初の決勝トーナメント進出を手繰り寄せた。

 ブル記者はこう綴っている。

「試合前の黙祷と静寂、そして"君が代"の大合唱に込められた、熱いなにかを感じ取った。日本はスコットランドを圧倒して世界をあっと言わせ、ラグビーワールドカップに最大の衝撃を与えたのだ。彼らが大事にしているスローガンは"ONE TEAM"。バックグラウンドが異なる選手たちの集まりで、実にチームの16人が国外の出身者である。そしてその夜、彼らはそのスローガンをも超える存在となった。キャプテンのリーチ・マイケルが『今日の試合は僕たちのためだけじゃない』と話したように、日本中の誰もが、彼らを単なるラグビーチームとは見なしていなかったのだ」

 2019年10月13日、日本対スコットランド戦。日本開催のワールドカップを象徴する忘れじの夜であり、永遠に語り継がれるべき名勝負である。

構成●THE DIGEST編集部

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