バレーボール

「ダメだと思ったよ」――高橋藍の猛攻に敵会長も思わず冷や汗。最多タイの18得点も、チームは初戦を落とす【現地取材】

佳子S.バディアーリ

2024.04.20

日本の若きエースが試合最多タイの18得点の活躍をみせた。(C) Lega Pallavolo Serie A

 現地時間4月18日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2023-24シーズン・プレーオフ決勝の第1戦が行なわれた。男子日本代表の高橋藍が所属するレギュラーシーズン5位ミント ヴェロ バレー・モンツァは、同2位シル スーサ ヴィム・ペルージャとアウェーで対戦。セットカウント1-3(25-27、18-25、25-23、23-25)で敗れて黒星発進となった。

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 世界屈指のリーグで今シーズン最後を飾る決勝がいよいよスタート。日本代表の若きエース高橋が挑む大舞台の初戦を現地取材した。

 モンツァは、準々決勝で一昨年にリーグ2連覇を果たしたチヴィタノーヴァを、準決勝では昨年の王者トレンティーノを、それぞれ全5戦の激闘の末に撃破して今季3回目の決勝へ進出。コッパイタリアと欧州大会チャレンジカップを準優勝で終えた悔しさを、このリーグ王座獲りに注ぐ。

 高橋にとっても満を持して臨む最終決戦。2大会の決勝は今季2回の負傷に本領発揮の機会を奪われ、コッパは欠場、欧州も途中出場に甘んじた。その思いを晴らすかのように、準決勝第3戦に試合最多の25得点。第5戦は決勝への切符をもぎ取った最終2打を決め、両試合でMVP(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝いた。

 決勝の相手は、準決勝で石川祐希が所属するミラノの前に立ちはだかったペルージャ。コッパ決勝では、モンツァを1セットダウンからの逆転で下して通算4回目の栄冠を手中に収めた。だが、アンジェロ・ロレンツェッティ監督は初戦へ向けた2日前のインタビューで、「コッパイタリアでモンツァは重要な選手を欠いていた。それは、ラン(・タカハシ)だ。今季、質の高いパフォーマンスを維持して、それまでのシーズンより、一段と存在感を示している。だから、ランがいるモンツァはコッパ決勝の時よりもクォリティが高いはずだ」と発言。オールラウンドに躍動する日本代表のアタッカーへ、警戒心を露にした。
 
 両チームの先発は、ペルージャが、司令塔のイタリア代表・主将シモーネ・ジャンネッリ、アウトサイドヒッター(OH)ポーランド代表カミル・セメニュクとウクライナ代表オレフ・プロツニスキー、オポジット(OP)チュニジア代表ワシム・ベンタラ、ミドルブロッカー(MB)ブラジル代表フラビオ・グアルベルトとイタリア代表ロベルト・ルッソ。

 モンツァは、高橋、カナダ代表のスティーブン・マーとエリック・レプキーのOH3枚、MBがイタリア代表ジャンルーカ・ガラッシと同胞ガブリエレ・ディ マルティーノ、司令塔はブラジル代表で名手ブルーノ・レゼンデの後継者と呼び声の高いフェルナンド・ジル クレリン(通称カショパ)でこの一戦へ臨んだ。
 
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アウェーの地で高橋は序盤から好調ぶりをみせた