バレーボール

日本男子バレーに立ちはだかったカナダ、最多得点マーは「時には悪役もいい」 開催国フィリピン紙は「観客のお気に入りを退けた」【ネーションズリーグ】

THE DIGEST編集部

2024.06.20

日本はカナダのブロックディフェンスに苦しめられた。(C) Volleyball World

 バレーボール男子日本代表にとってパリ五輪の前哨戦となるネーションズリーグ(VNL)は現地6月18日、フィリピン・マニラで予選3週目が開幕した。世界ランク3位の日本は、同12位カナダと対戦。セットカウント2-3(21-25、25‐20、15‐25、25-20、10-15)で敗れて最終週を黒星でスタートした。

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 昨秋のパリ五輪予選ですでに出場権を獲得している両チーム。世界ランクでトップ3入りを果たして好調な日本だが、この日は今大会で格上のキューバと米国を破るなど、勢いのある相手に試合を先行された。後がなくなった第4セットを主将・石川祐希の2連続を含むエース5本などで奪取してフルセットへ。だが、レセプションの乱れで序盤にリードを許すと、続く被ブロック3本で後退。そのまま、白星を譲ることとなった。

 日本が手を焼いたのは、昨季イタリアリーグで準優勝を成し遂げたモンツァで、若きエース高橋藍とともに躍動したチームメート3選手、アウトサイドヒッターのスティーブン・マー、エリック・レプキー、オポジットのアーサー・シュワーツの得点力。武器である守備でも対応され、欧州クラブに所属するミドルブロッカー勢の高いブロックにも苦しめられた。

 カナダにとって日本は世界ランクではるか上を行くチーム。開催地フィリピンでは日本の敗戦は予想外だったようで、現地大手メディア『GMA Integrated News』が、「世界3位の日本をカナダが撃破」「大番狂わせ」と驚きをもって報道した。市場シェア50%を誇る全国紙『Inquirer』の電子版は、会場を埋め尽くした日本を応援する熱狂的なファンに言及して、「観客のお気に入りチーム"日本"をカナダが5セットマッチの末に退けた」と伝えると、試合最多の24得点を挙げたマーは、「時には、悪役になるのもいい。それを楽しんでいるよ」とコメント。石川祐希の古巣ミラノでともにクラブ初タイトル(2020-21欧州CEVチャンジカップ)獲得に貢献したカナダの主砲は大勝の喜びをジョークに込めた。

 また、トーマス・サムエルボ監督はカナダの公営放送局『CBC』のインタビューで、「良い勝利だった。技術的に強靭な相手に対して、忍耐強く戦った。選手たちのパフォーマンスにとても満足している。最終的に我々のブロックディフェンスが勝敗を分けた」と勝因を明かしている。

 6勝3敗とした日本は、決勝ラウンド進出枠(7位以上)で暫定6位につけるも、この敗戦により世界ランクでは3位から6位へ急降下。パリ五輪の組み合わせで強豪との早期対戦を回避するためにも、残る3試合で再びポイントを積み上げ、5位以内で予選を終えたいところだ。

 日本は中2日で行なわれる第2戦(日本時間6月21日)で、5大会ぶりの五輪出場が遠のきつつある同13位オランダと白星が不可欠な一戦に臨む。

構成●THE DIGEST編集部

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