格闘技・プロレス

とにかく話題が途切れない「マリーゴールド」 女子プロレス界の“新勢力”は“メジャー”を脅かす存在となるのか?

橋本宗洋

2024.07.17

Sareeがジュリア(右)を下し、初代ワールド王座に輝いた。写真:橋本宗洋

 5月20日の旗揚げから54日、女子プロレスの新団体「マリーゴールド」初のビッグマッチが開催された。

 7月13日、会場は両国国技館。観衆は3058人だった。満員ではない、だが合格点だったのも間違いない。スターダムを離れて新団体を作ったロッシー小川代表は、開催発表の時点で3000人を目安にすると発言していた。

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 たとえば昨年末のスターダム両国大会は観衆3063人。一昨年は3868人、2021年は3039人と3000人台が続いている。

 スターダムがブシロード傘下となってすぐにコロナ禍に見舞われており、業界はそこから再構築している最中と言っていい。その中で毎年、両国大会が行なわれているのはプラス材料だし、マリーゴールドによって"両国で大会ができる女子団体"がさらに増えたのも大きい。

 少なくとも直近の両国大会の数字を比べると、マリーゴールドはスターダムと比べても遜色のない動員力があると言える。もちろん"初物効果"も無視できない。超満員札止めになった後楽園ホールの旗揚げ戦もそうだが、初めてのビッグマッチもファンの好奇心を刺激したのだ。

 会社全体の規模や売上額を比べれば、まだまだスターダムのほうが上だろう。ロッシー小川氏は自分たちを「小さい団体」だと表現している。サイバーファイトの映像配信サービス「レッスルユニバース」で中継されているものの、スターダムにとってのブシロード、新日本プロレスのような後ろ盾があるわけでもない。

 一方で小さい、新しい団体だからこそ応援したくなるというファン心理もある。あらゆる面でしっかり仕切ろうとする"メジャー"のスターダムに対し、マリーゴールドの魅力のひとつは親密感だ。

 マリーゴールドがすぐにスターダムをビジネス的に脅かすかと言えば、そうではないだろう。ただ強力なライバル団体なのは間違いないし、現時点の勢いという点ではスターダム以上だ。

 旗揚げ発表以来、マリーゴールドは次々とファンに話題を提供した。旗揚げ会見ではアクトレスガールズを離脱した面々が参戦を直訴。後に正式入団を果たした。

 旗揚げ戦では大型レスラーのボジラがメインを席巻。この両国大会では、WAVEを退団していた田中稔と府川唯未の娘・田中きずなが入団&出場している。さらに往年の人気選手、大向美智子の娘である心希(しんの)が練習生になることも発表された。

 セミファイナルではWWEスーパースター、イヨ・スカイが6年ぶりに日本で試合をした。イヨはスターダムのエースだった選手。WWE日本公演を前に、小川氏の団体に"里帰り"したわけだ。
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