格闘技・プロレス

「ナスカワは本物だ!」WBC会長が那須川天心のデビュー4連勝、初のTKO勝利を絶賛「こんなに感動したファイターは久しぶり」タイトル戦に太鼓判

THE DIGEST編集部

2024.07.21

那須川はボクシング転向後、初のTKO勝利を挙げた。写真:鈴木颯太朗

 無敗の若きボクサーに賛辞が寄せられている。

 7月20日、プロボクシングのWBA世界バンタム級7位の那須川天心(帝拳)が東京・両国国技館で行なわれた試合でWBO世界同級4位のジョナサン・ロドリゲス(米国)と対戦し、3回1分49秒でTKO勝利を収め、キックボクシング転向からの連勝記録を「4」に伸ばした。

 自身初の10回戦、そして世界ランカー対決に燃えないわけがなかった。那須川は1回から軽快にロドリゲスに左ストレート、さらに右フックをヒットする。2回にはじわじわ前に出て主導権を握ると、終了間際には那須川の左ストレートが顔面を捉え、ロドリゲスが腰を落として後退。日本人ボクサーが一気にラッシュをかけるが、惜しくもここでラウンド終了のゴングが鳴った。

 しかし、ダメージが残るロドリゲスにもう勝機はなかった。3回1分30秒過ぎに那須川の左ストレートから左アッパー、そして顔面へのダブル連打をお見舞いすると相手は崩れるようにダウン。レフェリーが試合を止めると、神童はコーナーに立って歓喜の雄叫びを上げた。
 
 ボクシング転向後、初のKO勝利に「やりましたよ!! KO!どうですか」とリング上でのインタビューに興奮を抑えられなかった。「この期間、倒すために心を整えるためにやってきた。ちょっといい成果が出て良かったです」と満足した表情で振り返ると、「進化したと思います。自分の型が完成したというか、完成したら止まってしまう。まだベルト持っていないんで、今後も進みたいと思います」と、さらなる邁進をファンに誓った。

 25歳の若きボクサーの進化には業界の大物も手放しで称賛している。この日、WBCバンタム級王者・中谷潤人(M・T)とWBC同級1位のビンセント・アストロラビオ(メキシコ)のスーパーバイザー(立会人)を務めた統括団体・WBCのマウリシオ・スライマン会長が自身のX(旧ツイッター)を更新。試合後、那須川とのツーショット写真を投稿し、「こんなに感動したファイターは久しぶりだ。テンシン・ナスカワは本物だ!」と綴り、その実力を高く評価。将来のタイトル戦に太鼓判を押した。

 さらに、メインイベントで初防衛戦をわずか157秒でKO勝ちした中谷についても言及。「バンタム級は最も偉大な階級のひとつだ。日本はWBCで現在センセーションを巻き起こしている。ナカタニを含む多くのチャンピオンを擁しトップに立つ」と記し、WBAは井上拓真、IBFは西田凌佑、WBOは武居由樹が王座に就き、バンタム級で全4つの王座を日本人が独占している実情を誇らしく報告した。

 那須川を含めた才能豊かな日本のボクシング界に、スライマン会長は感銘を受けている。

構成●THE DIGEST編集部

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【画像】デビュー4連勝を飾った那須川天心がWBC会長とツーショット

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