エースがまさかの予選敗退だ。

　現地７月30日、パリ五輪の競泳は４日目を迎えた。男子200ｍバタフライ予選に同種目の東京五輪銀メダリストである本多灯が予選２組に登場したが、１分57秒30という低タイムで、なんと最下位の８位。全体順位でも22位の結果で、上位16人による準決勝に進出ならず。まさかの予選落ちを喫した。

　競泳男子エースが初陣で姿を消した。本多は前半からまったくピッチが上がらず、上位との差はどんどん開くばかり。後半も伸びず低パフォーマンスのままフィニッシュすると、本人も信じられないといった表情を浮かべて頭を抱えた。
  　レース後のインタビューでは「いや…僕自身ちょっと…」と言葉がなかなか出ず、「このタイムだと悔しさもないですし、虚無感という感じ」と表現した。続けて、「言い訳になるけど、緊張してここまで体がすくむとは思わなくて。自分でもどう答えていいのか分からない」と答え、極度の緊張とプレッシャーで本来のパフォーマンスを発揮できなかったと敗因を述べた。
　
　東京五輪後の本多は22、23年の世界水泳200メートルバタフライでいずれも銅メダルを獲得し、今年２月にカタール・ドーハで開催された同大会では、この種目で日本男子初の頂点に輝いた。大会直前に捻挫した左足首の痛みで十分な練習が積めなかったとはいえ、メダル獲得が期待されたエースの予選敗退は競泳陣に小さくない動揺を与える結果となった。

構成●THE DIGEST編集部

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