卓球

”打倒・中国”の悲願まで、あと一歩及ばず…張本智和が世界王者・樊振東にフルゲームの死闘も、競り負け準々決勝敗退【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.02

張本が世界4位・樊振東とフルゲームの死闘を演じた。(C)Getty Images

 大激戦の死闘も、あと一歩及ばなかった。 

 現地8月1日、パリ五輪の卓球男子シングルス準々決勝が行なわれ、世界ランキング9位の張本智和が同4位の樊振東(中国)と対戦した。ゲームポイント3-4(11-2、11-9、4-11、7-11、11-4、7-11、8-11)のフルゲームマッチを競り負け、打倒・中国勢の悲願は勝利寸前のところで潰えた。

 初のメダル獲得に向け、最大の山場を迎えた張本。過去の対戦成績は2勝7敗と負け越す相手に、オリンピックの舞台で歴史に残る死闘を演じた。

 第1ゲーム序盤から張本のバックが冴え、大きくリードする。8-1と点差を広げ、強烈なスピンをかけて強敵を突き放す。フォアハンドで圧倒し、世界卓球2連覇中の絶対王者が手も足も出ない圧巻の内容で、日本男子のエースが11-2で先取した

 逆に第2ゲームは樊振東が逆襲。5-3でリードするが、張本が高速バックハンドですぐに追いつく。両者は一歩も引かず激しいフォアの応酬が続き、最後は樊振東のボールが外れ、張本が連取した。

 2ゲーム奪われた樊振東は戦法を変え、第3ゲームは序盤から6連続得点でリズムを掴む。左右に大きく張本を揺さぶりながら得点を重ねて奪い返した。

 第4ゲームは張本が鋭いバックハンド、一撃必殺のチキータで5-3でリード。打ち合いでも負けずに制すと、張本は大きく吠えた。しかし樊振東はカウンター、張本の逆サイドを突く強打が飛び出し、樊振東がタイに戻した。
 
 第5ゲームは、張本がまず4連続ポイント。樊振東も渾身のバックドライブを炸裂させるが、張本はこの日冴えまくるフォアで流れを手繰り寄せる。ミドルやバックで相手の懐を強気に攻め、このゲームを奪取。4強進出にリーチをかけた。

 悲願の中国勢撃破に王手をかけた張本。負けられない樊振東も気迫を見せ、激しいラリーで応酬すると、会場からは「ハリモト・コール」が起こり、7対7と一歩も引かない。だが終盤は樊振東が連続ポイントを挙げてこのゲームをモノにし、勝負は最終ゲームでの決着となった。

 東京五輪銀メダリストはギアを一段階上げて猛攻を仕掛けるも、張本は負けじに食らい付く。両者1点ずつを取り合う痺れる展開だったが、最後は世界王者が土壇場で底力を発揮。逆転勝利に樊振東は両手を広げて大きくガッツポーズし、逆に日本のエースは寸前のところで大金星を逃し、膝をガクっと落とした。

構成●THE DIGEST編集部

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