悲願のメダル奪取へ、あと２つだ。

　現地８月１日、パリ五輪の卓球女子シングルス準々決勝が行なわれ、日本のエース早田ひながピョン・ソンギョン（北朝鮮）と対戦し、ゲームカウント４-３（11-5、11-5、13-15、11-8、９-11、4-11、11-6）のフルゲームマッチを制し、ベスト４進出を決めた。メダルを懸けた次戦の相手は、世界最強女王・孫穎莎（中国）と相まみえる。

　同日に平野美宇が韓国のシン・ユビンに、張本智和が中国の樊振東にそれぞれフルセットマッチの末に敗れ、ベスト８で涙をのんだ。日本勢の”最後の砦”として臨んだ全日本女王の試合も、文字通りの死闘となった。

　第１ゲーム序盤は相手の変則的な変化に戸惑ったが、力強いフォアハンドで攻撃のリズムを掴むと、得点を積み重ねて先取した。第２ゲームも持ち味のパワフルなフォアが相手のラケットを弾き、早田は気迫十分のガッツポーズ。２ゲームを連取した。

　第３ゲームは早田の攻撃に慣れてきたピョン・ソンギョンが反撃。鋭いドライブを放ちリードを奪うが、早田も冷静にボールをさばきながら追い付く。終盤は点の取り合いとなり、早田は相手に５回もゲームポイントを握られるも、粘りに粘って13点まで食らい付いたが、最後は力尽きた。

　１ゲーム落とした早田だったが、第４ゲームは相手のミスが目立ち始めると、この好機を逃さず際どいコースに放ち、効果的にポイントを重ねて勝利。４強入りに王手をかけた。
  　一気に決めたい早田だったがピョン・ソンギョンの強いドライブ、フォアに押され、常に先手を許す劣勢に。一時は9-9の同点に追い付くが、第５ゲームは23歳の勢いに屈した。

　勝負の第６ゲーム、息を吹き返したピョン・ソンギョンの勢いがさらに増す。左右に散らして早田を揺さぶり、５連続得点。一気にゲームポイントを握ると、そのまま押し切り、なんと土壇場で２ゲームを連取。勝負は最終ゲームまで、もつれ込んだ。

　運命の第７ゲームは早田が主導権を握り、大きくリードを奪う。だが相手もベスト４進出に執念を燃やし、懐に攻めるドライブで点差を詰める。痺れる展開のまま、先にマッチポイントを握ったのは早田。最後は相手が返せず、早田は右手でガッツポーズ。死闘を制し、笑顔が弾けると、会場は大きな拍手に包まれた。

構成●THE DIGEST編集部

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