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格闘技・プロレス

「2人の間には敬意しかない」柔道銀メダル・村尾三四郎が宿命ライバルと交わした”スポーツマンシップ”に母国メディア感動【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.02

銀メダルの村尾(左)と肩を組むベカウリ(右)。2人の友情が脚光を浴びている。(C)Getty Images

銀メダルの村尾(左)と肩を組むベカウリ(右)。2人の友情が脚光を浴びている。(C)Getty Images

 現地7月31日、パリ五輪の柔道男子90キロ級の試合が行なわれ、五輪初出場の村尾三四郎が決勝戦に進出。金メダルを目指したが惜しくも敗戦し、銀メダルとなった。

 初の大舞台とは思えぬ堂々とした強さを発揮した。初陣となった2回戦は開始わずか44秒で一本勝ちを収め鮮烈な五輪デビューを飾ると、続く準々決勝は落ち着いた試合運びで勝ちあがり、準決勝では地元フランスの大声援を浴びるマキシムゲール・ヌガヤプハンボの素早い力技を冷静にいなし、小外刈りで技あり。残り27秒で大外刈りを決める、技あり合わせ技一本で決勝に駒を進めた。

 ゴールドメダルが懸かったファイナルの相手は、前回覇者のラシャ・ベカウリ(ジョージア)。ジュニア時代から幾度も死闘を繰り広げた宿命のライバルとの対戦は残り27秒、村尾が内股を仕掛けて技ありにみえたが、ポイントはなし。直後に小外刈りを仕掛けた村尾にベカウリが隅返しで技あり、合わせ技一本で悔しい敗戦となった。

 敗北直後は結果が信じられないという表情を浮かべていたが、審判に礼を促されると深くお辞儀。好試合をともに繰り広げた最大のライバルを称えた。それだけではない。表彰式で2人はメダルを首から下げて記念撮影に収めると、ベカウリは村尾と肩を組み、健闘を称え合うかのように頬を寄せ合い、笑顔を交わす場面があった。
 
 2人の温かい友情が窺えるこの場面に、ベカウリの母国メディアが反応。普段はサッカーを中心に配信しているジョージアのスポーツメディア『Georgian Footy』は、ジョージアと日の丸の国旗を添えて、「ベカウリとサンシロウ・ムラオの間には敬意しかない!」とスポーツマンシップ溢れるシーンを称賛した。

 さらに、欧州柔道連盟(EJU)は男子90キロ級の表彰式の写真を公式SNSに投稿。4人が仲良くメダルを誇らしく掲げる珠玉カットを共有し、それぞれの名前を記載して祝福メッセージを送っている。

 畳の外では審判を巡る誤審や不可解な判定が物議を醸すなか、畳の上で戦う柔道家たちのスポーツマンシップに感動の声が上がっている。

構成●THE DIGEST編集部

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