痛々しい"テーピング姿"に不安の声が上がっている。　

　現地８月２日、パリ五輪は卓球の女子シングルス準決勝が行なわれ、世界ランク５位の早田ひなは、同１位の孫穎莎（中国）と対戦。絶対女王を揺さぶる場面があったものの、その牙城を崩せず０対４のストレート負け。３日に実施される３位決定戦に回った。

　早田は相手の懐に放つドライブや持ち味のパワフルなフォアで強気に攻め、ポイントごとに声を上げて自らを鼓舞した。だが、"ある不安"を抱える中で対戦する絶対女王との決戦は、やはり甘くなかった。サウスポーである早田の左手首には黒いテーピングがグルグルに巻かれ、万全の状態ではないことは明らかだった。３ゲーム連取され、あとがなくなった第４ゲームは一気に点差が開き、勝負はあっという間に決した。
  　完敗を喫した早田は、無念の表情を浮かべて涙をこぼした。試合後のインタビューでは「コンディションが100％ではなかった。どこまで勝負するかっていう感じでしたけど、さすがに限界を感じた」と明かし、万全とはいえない程遠い状態だった。

　それでも全日本女王は前を向き、「最後までプレーできて良かった。今日のために３年間頑張ってきた。できる技術があった部分もあったし、通用した部分もあった」と手応えを感じたところもあった。だがやはり、「自分のプレーを100％発揮できなかったことが、今までサポートしてくださった皆さん、ここまで強くしてもらった皆さんに申し訳ない気持ちです」と、日本人初の決勝進出を果たせなかったことをわびた。

　早田の準決勝敗退には中継を見守った視聴者も落胆。特に黒いテーピングで施された左手首を心配するコメントとともに、「腕の状態、大丈夫かね。明日無理じゃない？」「棄権も考えたとか、やばくない？」「仕方ないね」「銅メダル危うし」などなど、３位決定戦の出場を疑問視。さらには「団体戦も厳しそう」という意見もあり、５日から始まる団体戦出場を危ぶむ声も少なくない。

　まさに満身創痍といえる日本のエース。韓国のシン・ユビンと対戦する銅メダルを懸けた舞台に、はたして早田は立つことができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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