現地８月３日、パリ五輪の卓球女子シングルスの３位決定戦が行なわれた。日本の早田ひな（世界ランキング５位）は韓国のシン・ユビン（同８位）と対戦し、第１ゲームを先取されながらも、緩急と粘りあるプレーで４-２（9-11、13-11、12-10、11-7、10-12、11-7）で競り勝ち、日本勢２大会連続の銅メダルを獲得した。

　満身創痍で掴んだメダルにエースはコートにへたり込み、号泣した。準々決勝で北朝鮮のピョン・ソンギョンとのフルゲームの死闘を制した後、早田は左手首に違和感を感じた。痛みが引かず、準決勝は左前腕から手首にかけて黒いテーピングを施して臨む。しかし、世界ランク１位に君臨する中国の絶対女王に手負いの状態で勝てるほど勝負は甘くなく、孫穎莎にストレートで完敗した。

　表彰台が懸かったこの試合も、生命線であるサウスポーの状態の悪さは変わらず。のちに試合開始５分前に「（痛み止めの）注射を打って臨んだ」と明かすほど、ギリギリの状態だった。早田は本来の力強いフォアが出せず、緩急をつけながら得点を重ねていき、ゲームを奪っていく。そして、第６ゲームのマッチポイントで早田が放ったサーブの返球がアウトになると、死力を尽くした全日本女王は顔を覆い、卓球台にしがみつくように歓喜の涙を流した。
  　ワールドテーブルテニス公式インスタグラムは、試合終了直後の早田の姿を投稿。「All the emotions（すべての感情、感動がここに）」と綴り、涙する場面とコーチのもとへ歩み寄る写真２枚を添えて、初の五輪メダルを称えた。

　現地５日からは、いよいよ団体戦がスタートする。試合後のインタビューでは、「まず（シングルスで）銅メダルを獲得できたことは良かったと思う。平野（美宇）選手と張本（美和）選手はメダルを持っているわけじゃないので。メダルに向けて、自分はどうなってもいいと思っている。メダルを獲るために、３人で一致団結して金メダルを目指して頑張りたい」と出場を明言。痛みを抱えながらも日本のエースは金メダル獲得に闘志を高め、決死の覚悟で挑む。

構成●THE DIGEST編集部

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