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「私はXXよ!」性別騒動で非難される台湾ボクサーを敗れた相手が“怒りのジェスチャー”で侮辱!「女性のスポーツを救って」と訴え【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.05

荒れ模様だったリン(左)とスタネバ(右)の一戦。物議を醸すジェスチャーは勝敗決着直後に示された。(C)Getty Images

荒れ模様だったリン(左)とスタネバ(右)の一戦。物議を醸すジェスチャーは勝敗決着直後に示された。(C)Getty Images

 またしてもリング上で物議を醸すハプニングが発生した。

 今回のパリ五輪・女子ボクシング競技には、女子66キロ級にイマネ・ケリフ(アルジェリア)が、同57キロ級にリン・ユーチン(台湾)がエントリーした。昨年の世界選手権でDNA検査を用いた性別適格性検査で、「XY染色体を持っている」と結論づけられて失格となったふたりだ。五輪開幕前から出場の是非について批判的な意見が噴出していた。
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 IOC(国際オリンピック委員会)は2選手の出場資格に疑いの余地はないと断言。「IBA(国際ボクシング協会)による突然の恣意的な決定であり、正当な手続きなしで失格となったものだ」と主張し、「2人は犠牲者である。IOCは2人の選手が現在受けている誹謗中傷に心を痛めている」とのメッセージを寄せた。トーマス・バッハ会長も同調するなど異例の事態に発展している。

 議論が渦巻くなか、現地8月4日に行なわれた57キロ級準々決勝にリンが登場。スベトラーナ・スタネバ(ブルガリア)と対戦して5-0の判定勝ちを収めたが、会場はなんとも後味の悪い雰囲気に包まれた。

 第2ラウンドにリンを投げ飛ばしてレフェリーから注意を受け、大ブーイングを浴びたスタネバ。試合が終わって両者がリングに並び、判定負けを告げられると、今度は怒りに任せてテレビカメラにあるジェスチャーを繰り出す。「ノー、ノー!」と叫びながら、指でふたつの「X」を形成したのだ。
 
 スタネバは報道陣の呼びかけに応じず、取材を拒否したが、コーチのボリスラフ・ゲオルギエフ氏が会場に持ち込んでいたプラカードで代弁。そこには「私はXXです。女性スポーツを救って」と書かれていた。女性はX染色体をふたつ持ち、男性はXとYの染色体を有するとされ、暗にリンの試合出場に対する抗議の意思を示したとみられる。

 米ネットワーク『FOX SPORTS』はブルガリアのルメン・ラデフ大統領がスタネバの行動を支持したと伝えた。自身のフェイスブックで「彼女は勝利のためだけでなく、スポーツにおける規範とオリンピックの原則を守るために闘ったのだ」と称えたという。

 ケリフとともにベスト4進出を成し遂げて、銅メダル以上を確定させたリン。周辺が騒がしいカオスのまま、現地6日に運命の準決勝を迎える。

構成●THE DIGEST編集部

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