パリ五輪の柔道女子52キロ級の阿部詩が、男子66キロ級で金メダルを獲得した兄の一二三と一緒に17日深夜に放送された日本テレビ系の「Going! Sports&News」に生出演。五輪連覇を狙って臨んだ２回戦で、まさかの一本負けを喫した一戦について振り返った。
　
　詩は２回戦で、世界ランク１位のディヨラ・ケルディヨロワ（ウズベキスタン）と対戦。強敵との試合は開始１分15秒、詩が内股で技ありを取るなど優勢に試合を進めていた。ところが２分過ぎ、ケルディヨロワに一瞬の隙を突かれて谷落としで一本負け。その瞬間、詩は現実を受け入れられない表情を浮かべ、畳に突っ伏し号泣。会場に響き渡るほど、悲痛に泣き叫んだ。
  　大会後、詩は敗北した試合の映像を「初めて見ました」と明かした。油断することなく試合に臨んだと話したうえで、「すごく強い選手で、最近調子が上がってきた選手だった」と相手をそう評し、十分に警戒していた。「集中しながらやっていたんですけど。なんか投げられる瞬間の前に、自分の中で『いける！』っていう体勢に一瞬入って。足を出した時に後ろに来たので。本当に一瞬だった」と敗北の瞬間を振り返り、「自分の動きを徹底的に研究されていた」と付け加えた。

　兄の一二三は「絶対に勝つっていう気持ちで僕は見ていた」とコメント。「驚きの方が大きかったです。正直、負けた時は何が原因か分からなかったです」と妹の敗戦に動揺し、言葉を失ったという。無論、詩も「ショックというより、何が起こったんだという。私もすぐには理解できなかったので…」と正直な気持ちを明かした。

　一方で、「もう一度対戦するとしたら？」と質問されると、「負けの前の自信が、いま持てるかと言われたら、よく分からない状況にはいるんですけど。でも、ここからしっかり自分に自信をつけて。戦う時は怖いと思いますけど、その恐怖に勝った時に成長できると思って戦いたいなと思います」と決意を固め、しっかりと前を見据えていた。

構成●THE DIGEST編集部

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