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競馬

「初めて完璧なレースができた」鞍上も絶賛したノースブリッジは秋の大一番に向け大きな手応え。一方、期待を“裏切った”前年覇者には暗雲が…【札幌記念】

三好達彦

2024.08.20

単勝5番人気のノースブリッジが札幌記念を制した。写真:産経新聞社

単勝5番人気のノースブリッジが札幌記念を制した。写真:産経新聞社

 8月18日、夏競馬唯一のGⅡ戦となる札幌記念(芝2000m)が行なわれ、単勝5番人気のノースブリッジ(牡6歳/美浦・奥村武厩舎)が快勝。3つ目の重賞タイトルを手にした。2着には皐月賞馬ジオグリフ(牡5歳/美浦・木村哲也厩舎)が残り、3着には中団を進んだステラヴェローチェ(牡6歳/栗東・須貝尚介厩舎)が差し込んだ。

 一方、単勝オッズ1.3倍という圧倒的支持を受けた前年の覇者プログノーシス(牡6歳/栗東・中内田充正厩舎)は位置取りが後方になり、急追したが4着まで。武豊騎手を鞍上に招いて2番人気に推された2021年のダービー馬シャフリヤール(牡6歳/栗東・藤原英昭厩舎)も中団のまま5着に流れ込むにとどまった。なお、ボッケリーニ(牡8歳/栗東・池江泰寿厩舎)は馬場入場後に跛行をきたしたため発走除外となった。
 
 結果として、スタートで大勢は決していたと言えるのではないか。普通にゲートを出たノースブリッジとジオグリフは2、3番手の好位置を確保。シャフリヤールやステラヴェローチェはその後ろの中団を進み、枠内でガタついていたプログノーシスは出遅れて11番手で第1コーナーを回った。

 逃げたアウスヴァール(せん6歳/栗東・昆貢厩舎)が刻んだラップは、1000m通過が1分00秒5という「スーパーGⅡ」らしくないスローペース。その割には中団以降に位置する有力馬の動きは遅々たるもので、先行勢にかなり有利な展開となった。

 馬群が動き始めたのは第3コーナー付近。やや離れた2番手を進んでいたノースブリッジがゴーサインを受けてアウスヴァールとの差を一気に詰めると、ジオグリフもそれに続いてスパートに入る。対してシャフリヤールは追撃にもたつき、プログノーシスも鞍上の手が動くほどには伸びが見られない。

 そして直線。ノースブリッジが素早く先頭に躍り出ると、ジオグリフ以下を一気に突き放す。そこへ中団からステラヴェローチェが脚を伸ばし、プログノーシスも後方から外を通って懸命に追いこむが、結果はスローペースの前残り。ノースブリッジがジオグリフに1馬身3/4差をつけて快勝。ステラヴェローチェがしぶとく3着に食い込んだ。
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