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「体重リミットのルールは明確」失格インド人レスラーの訴え棄却についてスポーツ仲裁裁判所が説明「超えないようにするのは選手の責任」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.20

女子レスリングフリースタイル50キロ級決勝を戦う予定だったビネシュ・フォガト(インド)。(C)Getty Images

 さまざまな問題が取り沙汰されたパリ五輪。その一つが、現地8月7日にパリ五輪女子レスリングフリースタイル50キロ級決勝を戦う予定だったビネシュ・フォガト(インド)の"失格騒動"だ。

 大会初戦で東京五輪金メダルの須﨑優衣を撃破するなど、快進撃を見せていたビネシュだが、決勝当日にまさかの計量失敗。「体重超過」による失格が言い渡され、表彰台にも立てなかった。その後、同処分を不服とするインド人レスラーは、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てと銀メダルの権利を訴えたが、現地14日に棄却されている。

 この決定について現地19日、24ページの文書を公開したCASは、いかなる状況でも例外を認めないと発表。結論部分では、「体重リミットの50キロを超過し、2日目の計量に失敗したという点は議論の余地がない」などと前置きしつつ、「体重リミットのルールは明確であり、すべての参加者に同じく適用される」と説明した。

 さらに、「これが上限であり、許容範囲は設けられていない」と続ければ、「リミットを超えないようにするのは、明らかに選手自身の責任」とキッパリ。以降も、「個人の裁量は一切認められない」「競技者は初日だけでなく、2日目の計量も成功しなければならなかった」「彼女への銀メダル授与を認めるべき理由がない」などと記述している。
 
 世界レスリング連盟第11条では「選手が計量に参加しない、または計量に失格した場合(1回目または2回目の計量)、大会から除外され順位はつかず最下位となる」と定義されており、今回の処分もこれに則った形だ。今回の文書内でCASは、「大会で失格となったレスラーには、第11条が適用される」とあらためて記した。

 なお、失格翌日にSNS上で引退を示唆しているビネシュだが、現地15日には、再びXを更新。両親やサポートスタッフへの感謝を示した上で、引退撤回の可能性をにじませている。

構成●THE DIGEST編集部

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