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「絶対に叩きのめされると思っていた」豪ブレイキン女子の“0点最下位”に大陸予選審査員は必然の結果と告白!一方で陰謀論はきっぱり否定【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.21

パリ五輪で一躍時のひととなったレイガン。競技の枠を超えて議論が交わされている。(C)Getty Images

パリ五輪で一躍時のひととなったレイガン。競技の枠を超えて議論が交わされている。(C)Getty Images

 いまだ議論の的となっているのが、パリ五輪・女子ブレイキンに出場したオーストラリア代表選手、レイチェル・ガン(ダンサー名はレイガン)のダンスパフォーマンスだ。
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 母国の大学で講師を務める36歳のレイガン。緑と黄を基調としたユニホームが“クロネコヤマトの配達員”に似ているとして日本でも話題をさらったが、パリ五輪ではその独創的なスタイルが激しい批判に晒された。ぎこちない足の運びやカンガルーのジェスチャーなどを奇抜な振りを織り交ぜた、じつにゆったりとしたムーブ。パワーやスピード、キレを期待するファンにとっては明らかに物足りない内容だった。実際にジャッジの採点も厳しく、結果的にレイガンはすべて0点の全体最下位で大会を終えている。

 SNS上では「酔っぱらいおばさん」「オーストラリアはもうブレイキンの出場をやめたらどう?」「よく出場資格を得られたな」「最悪のダンスだ」などレイガンへの否定的な意見が殺到する。選手本人は「若い選手たちにパワーでは勝てない。私は違う方法で自分の足跡を残したいと思っただけなの。創造性を大切にした結果です」と釈明したが、バッシングは止まなかった。

 一方で擁護する声も後を絶たない。オーストラリアの選手団や首相までもが支援のコメントを発表した。レイガンも大会後にあらためてSNSで苦しい胸の内を吐露。「ここまでたくさんのヘイト(憎悪)への扉を開くことになるなんて想像もしていなかった。正直、かなり壊滅的だったわ」と話し、「私の家族や、友人、ブレイキンやストリートダンスの仲間を苦しめないでほしい。プライバシーは尊重してほしい」と強く訴えかけた。

 しかしながら世界規模のトピックは熱を帯び、ついには陰謀論まで噴出する。レイガンの夫がブレイキンのオーストラリア代表コーチだったため、代表選出の方法を疑問視する向きが強くなったのだ。有名な署名サイトではオーストラリア選手団に選手選考の説明と謝罪を求めるスレッドが立ち上がり、5万もの署名が集まったという。

 そんななか、英公共放送『BBC』が一連の騒動をレポートする特集記事を掲載した。記事内でオーストラリア・ブレイキン連盟は「オセアニア予選における審査は最高水準の公平性が維持されていた」と説明し、審査員9名のなかにオーストラリア人はひとりもいなかったと主張。そのうえで同協会は「もちろんレイガンとの交流は常にあったが、彼女が指導的な立場にあったことや、イベント、資金、戦略、ジャッジの選定、選手の選定に関する意思決定に関与したことなど一度もない」と全面否定した。
 
 続けて『BBC』はニュージーランド出身でオセアニア予選の審判員を務めたテ・ヒーリタンガ・ウェピハ氏の証言を紹介している。自身もトップダンサーである41歳は「奇妙な風説ばかりだね。レイガンは正々堂々と予選を勝ち抜いて代表になったんだ」と言い切り、次のように続けた。

「私たち審査員はみんな、彼女がオリンピックでどれだけ叩きのめされるだろうか、絶対に叩きのめされるだろうと話していた。彼女もそれは承知の上さ。だからこそ、本当に勇敢だったと思うんだ」

 さらにウェピハ氏は「ただレイガンの予選突破は、オーストラリアにおけるブレイキンのシーンがきわめて小さいことを証明している。世間や政府のサポートもごくごく小さい。それは引退した選手を引っ張り出してきて、人数を補わなければならないほどなんだ」と論じる。

 そして「今回彼女に注目が集まったことで、今後は十分な資源を得られるかもしれない。結果的にレイガンは2024年大会でもっとも有名なオーストラリア代表のオリンピアンになったんだ。彼女はこのシーンを救うかもしれないよ」と期待を込めた。

構成●THE DIGEST編集部

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