F1レッドブルの重鎮ヘルムート・マルコ博士は同チームで数々の栄光をつかんできた現チャンピオンのマックス・フェルスタッペンの2026年以降の去就について、チームに残ることが確実ではないことを示唆した。
【動画】絶対王者フェルスタッペンが軽々とかわされるシーンをチェック 今季始めにチーム代表のクリスチャン・ホーナー氏の女性スタッフへの不適切行為疑惑が浮上。一時は無罪放免となったものの、サウジアラビアGPで証拠文書がメディアへリークされ、関与を疑われたマルコ博士は退団も噂されたが、フェルスタッペンが「マルコ博士が解任された場合には自らもチームを去る」と契約の例外条項の存在を使って警告した。その後マルコ博士への内部調査が行なわれたが、続投が決定。さらには2026年までチームに留まるとの覚書を交わしたとも報道され、お家騒動は一時休戦となった。
レースでは、シーズン序盤こそ昨年からの圧倒的な実力を発揮していたレッドブルだったが、ライバルが勢いを増すにつれてその支配力は徐々に低下。前回イタリアGPではフェルスタッペンが6位、セルジオ・ペレスが8位とチャンピオンチームにふさわしくない結果に終わった。
オーストリア紙『oe24』が現地9月4日に公開したインタビューによると、現在のチームの失速がホーナー氏の波乱に端を発しているか、との質問に対してマルコ博士は「そのようなことが役に立たないことは明らかだ」と回答。「結局のところ、これ(戦闘力の低下)は私たちの技術的な問題に直接関係しているのではなく、重要な人々の流出に関係している。特定の従業員が変化を望んで良いオファーを得たり、新しい機会を見つけたりしたいと思っているなら、彼らはそれを手にする」と話した。
実際に今季はチーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイ氏やスポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリー氏ら上級スタッフの離脱が相次いで発表されている。ニューウェイ氏はアストンマーティン入り濃厚との報道があり、ウィートリー氏は2026年からアウディのチーム代表を務めることが決まっている。
そして、フェルスタッペンの去就についての質問も飛び、「来年はレッドブル・レーシングでドライブするよ」と断言したマルコ博士。しかし2026年については「ああ...それはまだ先の話だ。今は24年のチャンピオンシップに全力を注いでいる」と明言を避けた。
フェルスタッペンは特にニューウェイ氏について、離脱後に「常々残ってほしいと言ってきた」と発言。毎シーズンのマシンのアップデートはもとより、シャシーの新規定が導入されるたびに常に他陣営に先んじて最適解を見つけてきたニューウェイ氏の実績は、新規定初年度の2026年シーズンに発揮されることが予想される。このままレッドブルがトップに返り咲けないのであれば、フェルスタッペンが移籍することも大いに考えられる。
構成●THE DIGEST編集部
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