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格闘技・プロレス

「グッドマンに興味がないとは言わないが…」元世界王者が井上尚弥の次戦相手に私見「アフマダリエフの方が魅力的だ」

THE DIGEST編集部

2024.09.05

2度目の防衛を果たした井上(中央)。次戦は12月24日が示唆されている。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

2度目の防衛を果たした井上(中央)。次戦は12月24日が示唆されている。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 無敗の日本人ボクサーの動向は、元世界王者からも熱い視線が注がれている。

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が9月3日に東京・有明アリーナで2度目の防衛戦に臨み、元IBF同級王者テレンス・ジョン(TJ)・ドヘニー(アイルランド)を7回16秒で撃破し、TKO勝利を収めた。
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 ドヘニーのボディに破壊力あるパンチを打ち続けた井上。7ラウンド開始直後、攻撃のスイッチを入れた井上のラッシュを浴びせると、ダメージを蓄積したドヘニーの腰がついに悲鳴を上げ、途中棄権。元世界王者のキャリアに初のTKO負けを刻ませた。

 モンスターのTKOシーンには識者も舌を巻いている。元WBO世界スーパーライト級王者で、現在はボクシングコメンテーターを務めているクリス・アルジェリ氏は米メディア『BOXINGSCENE.com』のインタビュー記事のなかで、モンスターの”ある進化”に注目した。

 アルジェリ氏は「序盤のラウンドと同じように、右のローをしっかりキープすることに努めているイノウエの姿が見受けられた。これは31歳になった彼がまだ向上心を持ち、前回のルイス・ネリ(メキシコ)戦の失敗から学び、自分の技術を磨くことに意欲的であることを示している」と指摘。1ラウンドにプロ初ダウンを奪われた序盤の入り方に着目した。

 予想もしない幕切れに終わったが、「ネリ戦やマーロン・タパレス(フィリピン)戦のように時間がかかったかもしれないが、ドヘニーはイノウエを苛立たせようとしていた。それは技術でもパンチでも、モンスターには敵わないからだ。イノウエが、またもKO勝ちを収めたことは評価に値する」と言及した。

 さらに米国内では、井上の注目度が年々高くなっていることを実感しているという。「彼がドヘニーと戦う前、私は知人に『火曜日の朝、イノウエは何時に戦うんだ?』と聞かれた。アメリカの観客が体重122ポンド(スーパーバンタム級)で、試合時間が朝7時にもかかわらず、日本人ファイターの闘いに興味を持つのは普通ではないよ」と述べ、モンスターの人気・実力がボクシングの本場でも認知されていると強調した。
 
 井上の共同プロモーターであるトップランク社のボブ・アラム氏は、井上が12月24日に東京で再び試合を行ない、2025年にラスベガスで再戦することを示唆している。アルジェリ氏はその情報をキャッチしたうえで、「サム・グッドマン(オーストラリア)とムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が次の対戦相手として、すでに噂されている。私はアフマダリエフの方が魅力的だと思う」と語り、元WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級統一王者で、現WBA世界1位のボクサーを推薦。その理由について、次のように述べている。

「彼の方が優れたファイターであり、イノウエと相性が良く、よりエンターテインメント性の高い試合ができそうなファイターだからだ。グッドマンに興味がないとは言わないが、イノウエは122ポンド級のどのコンテンダー(挑戦者)ともマッチアップできるほど優秀だ」

 アフマダリエフは昨年12月にWBA世界スーパーバンタム級2位のケビン・ゴンサレス(メキシコ)とWBA指名挑戦者決定戦を行ない、8回TKO勝ちを収め王座挑戦権を獲得した。WBAから井上との対戦を直々に指令されたにもかかわらず、井上陣営はドヘニーとの一戦を優先。4団体のベルト奪還に燃える五輪メダリストはモンスターとの対戦をSNSを使って発信するなど、早期決戦を熱望している。

構成●THE DIGEST編集部

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