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【F1】「どのサーキットでも速くて安定している」成長を遂げた角田裕毅にレッドブル御大が賛辞!「今こそふたりを比較する時だ」とローソンとの対決にも注目

THE DIGEST編集部

2024.10.10

レッドブル幹部から高評価を受けた角田。(C)Getty Images

 ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅はF1でのキャリア4年目を迎え、ここまで非常に安定したパフォーマンスを発揮して、見る者に強い感銘を与え、多方面から高い評価を下されている。

 目に見える成長ぶりを示している24歳の日本人ドライバーだが、一方でセルジオ・ペレスの不調によって俄然注目を集めているレッドブルのシート争いにおいては、候補から外されているとの見方が強く、元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンがコメンテーターを務めるスポーツ専門チャンネル『Sky Sports』で「可哀想なユウキ。彼は見過ごされている」と語られたように、レッドブルの姿勢に疑問を呈する現地メディアは少なくない。

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 もっとも、レッドブルの中でもヘルムート・マルコ顧問はジュニアチーム時代から見守り続けてきた角田の能力を高く買っている。以前は、精神面でしばしば未熟な面を見せてドライビングにも影響を来してしまう点に苦言を呈してきた御大も、今季は惜しみなく賛辞を贈っている。

 そしてオーストリアのテレビ局『ORF』のインタビューでも、「角田は大きく成長した。彼は感情のコントロールが上手くなった。以前は無線での言動が非常に悪かった。それがパフォーマンスに悪影響を与えて、彼はスピードを失っていた。そのことが一番気になっていたが、今季はそれがなくなった。今ではどのサーキットでも、速くて安定している」と称えた。

 彼は、来季のレッドブルでマックス・フェルスタッペンと組むドライバーについて、「このチームのジュニアチーム出身の若手を起用する」ことが理想のシナリオだとしており、2025年も契約を交わしているペレスの後釜を担う存在として、角田、リアム・ローソン、さらにはF2参戦中のアイザック・ハジャーがその評価対象になっていることを示唆している。

「(昨季)ローソンが何戦で角田より速かったかは分からないが、今こそふたりを比較する時だと判断した。どちらが速いのかを知るために。(ハジャーについては)来季のレッドブルとRBのドライバー編成についてはある程度確信を持っているものの、それでも彼の状況も見守る必要がある」

 恩師からポジティブに評された角田は、直近のレースウィークエンドだったシンガポール・グランプリで、決勝は8番手からスタートして12位フィニッシュとフラストレーションの溜まるレースになったものの、悪態をつくことがなかったことについて「高温の中で車に乗るのはかなり厳しく、そうするエネルギーが残っていなかったからでしょう。でも、もしかすると僕自身が優しい人間になったのかもしれません」と語り(『MOTORSPORT TOTAL.COM』より)、さらに以下のように続けた。

「それには、自分でも驚きました。今は車の中で悪態をついたり、罵声を浴びせたりしないように集中しています。ドライビング中の言動については現在、FIA(国際自動車連盟)が規制に乗り出したことだけでなく、他の理由でもデリケートな話題になっており、僕はその点でもっと改善していかなければなりません。その意味で今回、悪態をつかなかったことには満足しています」

 ドライビングだけでなく、精神面での進歩も自ら実感している角田が、新たなチームメイト(=ライバル)を迎えて臨むシーズン終盤のレースで、今季を象徴するようなパフォーマンスを発揮して、レッドブル首脳陣にも感銘を与えることができるか、非常に興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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