現地10月13日、カザフタン・アスタナで開催されていた卓球アジア選手権は全日程が終了。日本代表は男子シングルス(張本智和)、女子団体、女子ダブルス(大藤沙月/横井咲桜ペア)でそれぞれ優勝を果たし、全7種目中トップの3種目で金メダルを奪取した。男子シングルスと女子団体の戴冠は50年ぶり、女子ダブルスは実に54年ぶりの快挙である。
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一方、卓球王国・中国は振るわなかった。混合ダブルスを制して幸先良いスタートを切ったものの、女子団体は決勝で日本に敗れ、女子シングルスではベスト4にひとりも進めないまさかの展開。終わってみれば金メダルは男子団体と混合ダブルスのふたつだけで、女子代表にいたっては金メダルゼロに終わった。中国女子代表の金メダルゼロは、1972年にアジア卓球連合主催の現行大会となってから初の出来事だ。総メダル数でも日本の9個に対して中国は5個と、大きく下回る結果となった。
やはり中国国民にショックを与えたのは女子代表チームの惨敗だ。今大会にはパリ五輪団体金メダルのメンバーである陳夢(世界ランキング3位)と王曼昱(同2位)がエントリーせず、絶対エースの孫穎莎(同1位)は出場したものの、極度の疲労と怪我のため、女子団体決勝で敗れた翌日に大会棄権を余儀なくされた。
代わって王芸迪(同4位)と陳幸同(同6位)の実力派コンビが大役を担ったが、期待に沿う活躍をみせられず、張本美和(同7位)ら日本勢に圧倒されてしまう。女子だけのメダル数で比べると、日本が金2・銀2・銅1で5個を獲ったのに対して、中国は銀1・銅1の2個に甘んじる結果となった。
中国スポーツメディア『捜狐体育』は由々しき事態だと捉え、「中国女子卓球にとっては屈辱的で恥ずべき惨敗だ!」と銘打ち、「アジア選手権の52年間において初めて金メダルをひとつも獲れずに大会を終えたのである。馬琳監督や協会サイドのマネジメントには大いに疑問が残った」と主張する。
さらに同メディアは「確かに陳夢と王曼昱を欠き、孫穎莎も怪我で離脱とベストメンバーではなかったが、あらためて選手層の脆弱さを露呈した格好だ」と指摘。そのうえで「4年後のロスオリンピックでは孫穎莎が27歳、王曼昱が29歳、陳夢は34歳だ。世界の覇権を維持できる保証はどこにもない。トップ3に依存し続けたツケが回ってきている」と論じた。
今大会でも韓国、インド、北朝鮮などの新興勢力が躍動。とりわけ北朝鮮は新星キム・クムヨンが団体戦で孫穎莎を撃破し、シングルス決勝でも張本を相手にゲームカウント3-1で勝利して初優勝を飾った。アジアのライバルたちは激しい突き上げで、絶対女王・中国の足元を揺るがせたのだ。
『捜狐体育』は「馬琳(監督)は大会前に『ゼロからスタートしたい』と話して選手層の底上げを狙ったが、特別になにかしらの意図を持って取り組んだわけでもなく、まさに『金メダルゼロのスタート』となった」と皮肉り、「後継者が育っていない事実は深刻で、馬琳のみならず協会全体が技術革新、戦術と分析、人材育成のあらゆる面での進化を促さなければならない。危機感を持って真剣にだ。このままでは新たな競争の波に吞み込まれてしまうだろう。中国女子卓球にとって大きな分岐点だ」と警鐘を鳴らした。
構成●THE DIGEST編集部
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一方、卓球王国・中国は振るわなかった。混合ダブルスを制して幸先良いスタートを切ったものの、女子団体は決勝で日本に敗れ、女子シングルスではベスト4にひとりも進めないまさかの展開。終わってみれば金メダルは男子団体と混合ダブルスのふたつだけで、女子代表にいたっては金メダルゼロに終わった。中国女子代表の金メダルゼロは、1972年にアジア卓球連合主催の現行大会となってから初の出来事だ。総メダル数でも日本の9個に対して中国は5個と、大きく下回る結果となった。
やはり中国国民にショックを与えたのは女子代表チームの惨敗だ。今大会にはパリ五輪団体金メダルのメンバーである陳夢(世界ランキング3位)と王曼昱(同2位)がエントリーせず、絶対エースの孫穎莎(同1位)は出場したものの、極度の疲労と怪我のため、女子団体決勝で敗れた翌日に大会棄権を余儀なくされた。
代わって王芸迪(同4位)と陳幸同(同6位)の実力派コンビが大役を担ったが、期待に沿う活躍をみせられず、張本美和(同7位)ら日本勢に圧倒されてしまう。女子だけのメダル数で比べると、日本が金2・銀2・銅1で5個を獲ったのに対して、中国は銀1・銅1の2個に甘んじる結果となった。
中国スポーツメディア『捜狐体育』は由々しき事態だと捉え、「中国女子卓球にとっては屈辱的で恥ずべき惨敗だ!」と銘打ち、「アジア選手権の52年間において初めて金メダルをひとつも獲れずに大会を終えたのである。馬琳監督や協会サイドのマネジメントには大いに疑問が残った」と主張する。
さらに同メディアは「確かに陳夢と王曼昱を欠き、孫穎莎も怪我で離脱とベストメンバーではなかったが、あらためて選手層の脆弱さを露呈した格好だ」と指摘。そのうえで「4年後のロスオリンピックでは孫穎莎が27歳、王曼昱が29歳、陳夢は34歳だ。世界の覇権を維持できる保証はどこにもない。トップ3に依存し続けたツケが回ってきている」と論じた。
今大会でも韓国、インド、北朝鮮などの新興勢力が躍動。とりわけ北朝鮮は新星キム・クムヨンが団体戦で孫穎莎を撃破し、シングルス決勝でも張本を相手にゲームカウント3-1で勝利して初優勝を飾った。アジアのライバルたちは激しい突き上げで、絶対女王・中国の足元を揺るがせたのだ。
『捜狐体育』は「馬琳(監督)は大会前に『ゼロからスタートしたい』と話して選手層の底上げを狙ったが、特別になにかしらの意図を持って取り組んだわけでもなく、まさに『金メダルゼロのスタート』となった」と皮肉り、「後継者が育っていない事実は深刻で、馬琳のみならず協会全体が技術革新、戦術と分析、人材育成のあらゆる面での進化を促さなければならない。危機感を持って真剣にだ。このままでは新たな競争の波に吞み込まれてしまうだろう。中国女子卓球にとって大きな分岐点だ」と警鐘を鳴らした。
構成●THE DIGEST編集部
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