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格闘技・プロレス

仙女・新潟大会でのジャイアントな「箸休め」マッチに隠されていた“言葉にならない感慨”「もう今日で引退しようかな俺(笑)」

橋本宗洋

2024.11.19

新潟大会の第4試合で激突した石川(左)とササダンゴ(右)。互いをリスペクトしあう。写真:橋本宗洋

新潟大会の第4試合で激突した石川(左)とササダンゴ(右)。互いをリスペクトしあう。写真:橋本宗洋

 センダイガールズプロレスリングで東北を中心に女子プロレスを広めてきた里村明衣子は、故郷の新潟でも毎年ビッグマッチを開催している。

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 とりわけ今年(11月9日、新潟市体育館)はメモリアルなものになった。里村は来春の引退を表明しており、この新潟大会は“女子プロレス界の横綱”最後の地元凱旋だったのだ。
 
 メインイベントで里村が対戦したのは安納サオリ(スターダム)。女子プロレス界屈指の人気選手だ。この新鮮な初対決に加えタッグ王座戦、新人が対象となるジュニア王座も復活。充実したカード編成の中で、とりわけ目立ったのがスーパー・ササダンゴ・マシンvs石川修司である。

 ササダンゴは、かつてマッスル坂井としてエンタメプロレス興行『マッスル』を展開。一度は引退して実家のある新潟に帰郷、父の後を継いで金型工場・坂井精機に入社する(現在は社長)。しかしプロレスからは離れられなかった。一般人に戻った気まずさから覆面を被り、スーパー・ササダンゴ・マシンとしてリングに戻るもあっという間に正体がバレる。

 新世代の選手たちとの新シリーズ『まっする』(ひらがなまっする)もヒットさせたササダンゴ。試合中のスローモーション演出(選手が実際にゆっくり動く)、試合の見どころや作戦を事前にプレゼンする煽りパワーポイント、イケメン選手が歌い踊る「2.9次元ミュージカル」など、斬新すぎるアイデアでプロレスの常識を突破し続けてきた。

 さらに新潟と東京を股にかけてテレビ、ラジオに多数出演。ローカルタレントとして新潟では知らぬ者なき存在とも言われる。

 以前からそのアイデアとプロデュース力に「惚れていた」という里村は、ササダンゴのラジオ番組にゲスト出演すると新潟大会出場を公開オファー。ササダンゴにとっても、新潟を代表するプロレス興行への参戦はこの上なく光栄だった。

 しかも、対戦相手は石川。デビューした団体でマッスル坂井と同じ釜の飯を食い、『マッスル』にも別キャラクターで出場していた。年齢は石川が少し上で、プロレスキャリアとしては坂井が少し先輩。今回は里村のマッチメイクで久々の再会、かつ初のシングルマッチ実現となった。
 
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