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「ボクシングのような話題性が必要」米サーフィン記者が現行の興行方法に私見「これまで1対1の形式を試したことがないのは不思議」と指摘

THE DIGEST編集部

2024.11.29

パリ五輪サーフィンは、仏領のタヒチ島チョープーで開催。仏代表のカウリ・バーストが金メダルに輝いた。(C) Getty Images

パリ五輪サーフィンは、仏領のタヒチ島チョープーで開催。仏代表のカウリ・バーストが金メダルに輝いた。(C) Getty Images

 今夏のパリ大会で2回目の五輪開催となったサーフィンは、パリから約1万6000キロ離れた仏領タヒチ島のチョープーにて、7月27日から8月4日までの期間内(7月27日、28日、29日、8月1日、2日、5日、6日)で開催された。

 サーフィン競技のルールは、1ヒート3人の選手で戦い、3回戦目以降は、2人の選手で 1対1の対戦。ヒートの長さは25~40分程度で、採点は5人のジャッジが、ライディングの多様さ、タイプ、難度に基づき採点を行ない、選手のスピード、パワー、フロー(ひとつの波から次の波へと流れるように動きをつなぐこと)で評価された。

 パリ五輪後、アメリカの老舗サーフィン専門誌『SURFER』(1960年創刊)は、WEB版で「世界最高のサーファーたちが世界で最も危険な波でサーフィンをするのだから、見ていてスリリングになるだろうと思っていたが、競技が始まると、そのような会話はほとんどなくなった。小休止は長すぎ(波を待つ時間)、ジャッジは解読不能、波は予測不能」と今大会が盛り上がりに欠けたことを記していた。

 その上で、米専門誌『SURFER』元編集長で、ワールドサーフリーグ(WSL)元シニアディレクターのジェイク・ハワード氏が、「サーフィンには、ボクシング元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(19年ぶりの復帰戦)vsジェイク・ポールのような話題性が必要」と指摘し、サーフィン興行に苦言を呈した。

 同氏は「『ライバル関係』というものが、このスポーツのプロ面を最高潮に押し上げた」と言及。また「今週金曜日にタイソンが、ユーチューブのスターとリングに上がります。テキサスの6万席の会場は売り切れ寸前と報じられているが、本当の勝者はおそらく試合をライブストリーミングする『ネットフリックス』でしょう。同試合は5億回以上の視聴数を獲得すると推定されている。またポールのユーチューブ登録者数は2000万人超、タイソンのインスタグラムのフォロワーは3000万人を超えています。リーチは大きく、宣伝は天井知らずで、視聴記録は必ず破られることだろう」と話題性に注目した。
 
 同氏は、そのうえで「世界のどこかのリーフポイント(海底が岩やサンゴ礁のポイント)で、ジョン・ジョン・フローレンス対ガブリエル・メディーナの対決を、(既存の)ルールを窓から投げ捨てて想像してみてください」とサーフィン界の夢の対決を提案。他にも、同メディアは「ケイティ・シマーズ(アメリカ)対エリン・ブルックス(カナダ)。これも最高だ!ケリー・スレーター対ロブ・マチャド。どちらもミッドレングスのサーフボードを出している。ステファニー・ギルモア対カリッサ・ムーア」と綴り、興行的に期待のできる対戦を挙げた。

 さらに同氏は、「考えてみれば、サーフィン界がこれまでこのような1対1の形式(のスペシャルマッチ)を試したことがないのは不思議だ」と指摘。続けて「全盛期には、アンディ・アイアンズとケリー・スレーターがパイプライン(ハワイ)に強烈なパンチを繰り出すのを見るために、無数の人々がテレビをつけただろう。実際、トム・カレンとマーク・オクルーポ(愛称オッキー)が激突したとき、ハンティントンの路上で暴動が起きた」と過去に注目を集めた試合を振り返った。

 なお、2028年に米国ロサンゼルスで予定されている五輪でも、サーフィン競技が実施される予定となっている。

構成●THE DIGEST編集部

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