アメリカAEWと契約している飯伏幸太が、女子プロレス界のスーパーレジェンド長与千種の還暦祝いに、『長与千種還暦祭 後楽園ホール大会』マーベラス12.1後楽園大会に電撃参戦した。

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　飯伏は今年１月に行なわれたプロレスリング・ノア有明アリーナ大会に参戦し、丸藤正道と対戦。勝利は収めたものの、明らかなコンディション不良が目立ち物議を醸していた。その後、古巣のDDTやGLEATに参戦していたが、今回は千種がノアでの丸藤戦を見て「３カウント取られてしまえ！」と激怒したところ、飯伏本人から「すみませんでした」と謝罪があったという。ここで、８年前の年末にRIZINを観戦した際、千種が初対面の飯伏に要望した「飯伏、彩羽、井坂のカードを組みたい。三位一体が面白いし、このカードが見られたら幸せです」という言葉を覚えていた飯伏から参戦を直訴。さらに「長与千種の対角線に立ちたい」というリクエストまで付け加えて来た。

　全盛期を遥かに過ぎた千種と、コンディションに不安が残る飯伏のマッチアップになったわけだが、マーベラス関係者によると「カードが発表されてから券売が一気に伸びた」そうで、女子プロレスではスターダム以外はなかなか見られない北側を開放する後楽園フルバージョンで、たくさんのファンが会場に詰めかけた。

　千種は、田中将斗＆タイタス・アレクサンダーと、飯伏は千種のリクエストどおり、彩羽匠＆井坂レオとトリオを組んで実現したこの試合は男女の垣根を越えた白熱とした攻防に後楽園ホールが沸きあがる中、最後は飯伏と飯伏を意識しまくっていたタイタスの2人がリングに残ると、飯伏が背中と、正面へのカミゴェ２連発で３カウント。2013年４月29日スターダム両国国技館大会以来、２度目となる女子マットで勝利を飾っている。

　試合後、千種に「もう辞めるなんて言わないでください」と約束をしたという飯伏だが「やっぱり、僕の中では見てたまんまの長与さんだし、まだやっぱり全然動けるな。なんで辞めるの。辞めるんだろう？ってそれは思ってて。ただ自分の中で、今自分の役割として、プロレス界をどんどん上げていきたいっていう目標があって。AEWにはビザがもう少しでおりるんで、来年からまた出るんですけど、ちょっと日本のプロレス界がなんとなく下がってきてるんだなって思ってきてて、それを上げていきたいなという。なんか言いにくいですけど、全て無料で出ます」と日本マットを盛り上げられるならノーギャラでも出る覚悟があることを明かす。

　さらに、自身のコンディションについては「自分の役割を果たして終わろうかなっていう。僕の足が限界なんで、いつ終わってもおかしくないんで。それはもう物理的なものなんで。気持ちとか、そういう問題じゃなくて。物理的にできない。その前に、できなくなる前に、残しておきたいなという思いがあって今日出させてもらいました」と語り、長期欠場の理由にもなった足の状態がかなり危機的な状況にあることを初めて口にした。