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モータースポーツ

角田裕毅のカタールGPを各国メディアはいかに評価したか? 「素晴らしいスタート」から「石が水の中で沈んでいくように…」

THE DIGEST編集部

2024.12.04

スタートで一気に9位まで順位を上げた角田だったが…。(C)Getty Images

スタートで一気に9位まで順位を上げた角田だったが…。(C)Getty Images

 F1第23戦のカタール・グランプリ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は13位でチェッカーフラッグを受け、3戦連続での入賞を逃している。

 フリー走行5番手という好パフォーマンスでのスタートから一転、スプリント予選ではSQ1敗退、スプリントは17位に沈み、予選はQ2に辛うじて進出するも14番手に止まると、決勝は一時9番手までポジションを上げたが、VCARB01のペース不足によって次々にライバルのオーバーテイクを許し、これを挽回することは叶わなかった。

 コンストラクターズ・ランキング6位争いのライバルであるアルピーヌ、ハースがともにポイントを積み上げたことで、最終戦を残して非常に厳しい状況に追い込まれた8位のRB。角田にとっても悔しさが残る週末となってしまったが、フリー走行の好結果や決勝のスタート等、ポジティブな面を垣間見せたのも事実である。

 各国専門メディアの評価を見ると、まず英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は10点満点の採点で「6.5」を角田に与え、「比較的静かなレースとなった角田だが、周囲でペナルティーが次々に出される中で、クリーンな走りを維持。しかし今週末のRBはペースが上がらず、彼がコース上で上回ったドライバーは、チームメイト(リアム・ローソン)とアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)だけだった」と、彼の日曜日を振り返った。

 同じく英国のモータースポーツ専門サイト『CRASH』は、「好スタートを切ったものの、角田とRBには中団争いのライバルたちに匹敵するペースがなかった。アルボン同様、セーフティカー出動中にタイヤをソフトに履き替えた戦略は奏功せず」とネガティブな寸評を綴り、採点は及第点の「6」としている。
 
『RACE FANS』は「5」という採点同様、「RBはカタールでベストな状態ではなかったが、それでも角田がVCARB01の性能を最大限には引き出せていないように感じざるを得なかった。決勝では素晴らしいスタートを切ったものの、実質的な追い越しゾーンが1か所しかないコースにもかかわらず、第1スティントで5回も抜かれてしまった。この時点で、ポイント獲得は非常に難しい状況だった。ただ少なくとも、チームメイトよりミスが少なかった点は評価できる」と寸評も厳しかった。

 続いてオランダのF1『RN365』は、上位と下位の5選手にしか寸評を記していないため、12位の角田は採点(5.5)のみ。対してスペインのF1専門サイト『F1i.com』の採点は、「カタールではコース上で多くのアクションが繰り広げられたものの、角田にとっては比較的静かなナイトレースとなった。14番グリッドからスタートし、序盤は入賞圏内まで順位を上げる力強い走りを見せたが、その後は中団の第3集団へと後退。彼の努力には価値があったが、VCARB01には十分な競争力が備わっていなかった」と寸評はネガティブな内容が多かったものの、「7」という高採点が付与されている。

 スポーツ専門サイト『sportskeeda』は「6」で、「角田の週末の現実は、彼が目立った活躍をするには車の速さが足りなかったということである。これは第1スティントの早い段階で明らかになり、RBは序盤からまるで石が水の中で沈んでいくように順位を落としていった。残念ながら日本人ドライバーは、ラスベガスで見せたような好パフォーマンスをカタールで再現することはできなかった」と、VCARB01の性能不足に苦しめられたことを強調した。

 そして毎レース、採点ではなくランキング形式での個別評価を行なっている英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、実際の順位よりも高い「11位」に角田をランクイン。寸評では、「厳しいスプリントの後、角田は素晴らしいオープニングラップでRBを無理やりトップ10に押し上げた」と綴り、以下のように続けている。

「彼は懸命に戦ったが、車の性能に見合わない高い位置にいたためか、レースが進むにつれて自然と順位を下げていった。VCARB01は幾つかのアップデートが施されても、高速で車高を低くした状態での性能が優れているとは言えなかった。そのため角田は今週末、ウィリアムズ勢との最下位回避を懸けたバトルを強いられることになったが、何とかこれを制している」

構成●THE DIGEST編集部

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