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角田裕毅、相性の良いアブダビでの最終戦へ「より楽観的」 FP1は岩佐歩夢が走行も「ユウキが失うものはさほど多くない」と専門メディア

THE DIGEST編集部

2024.12.05

今週末に今季最終戦アブダビGPに臨む角田。(C)Getty Images

 史上最多24戦で争われた今季F1の最終戦となるアブダビ・グランプリが今週末、UAEアブダビの「ヤス・マリーナ・サーキット」で行なわれる。

 長かったシーズンの締め括りとなるナイトレースに向け、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅も気合十分。コンストラクター(現在8位)、ドライバー(12位)の両チャンピオンシップでひとつでも順位を上げたい彼は、チームの公式サイト等を通して以下のようにコメントを発表している。

「カタールの週末は厳しいものでした。チームは、最初の数周でポイント圏内に上がった後、パフォーマンスが大きく低下した原因を探るために、数日をかけて全力を尽くしてきました。その原因の一部は、コース特有のものだったと思います。ですので、昨季6位で予選を通過し、8位でフィニッシュしたアブダビについては、より楽観的です。現在のチャンピオンシップの状況はより複雑になっていますが、シーズンを良い形で終えるために全力を尽くします」

 RBのローラン・メキーズ代表も、「ルサイル(カタール)での日曜日の決勝以来、我々のチャンピオンシップへの期待は打撃を受けたが、それが最後のレースへの取り組み方に影響を与えることはない。このコースは、我々の車により適しているはずだ」とポジティブな見解を示した。

 メキーズ代表はまた、今週末のフリー走行1回目(FP1)で角田に代わり、ホンダとレッドブルのジュニアドライバーであり、今季はスーパーフォーミュラに参戦してドライバー部門5位でシーズンを終えた岩佐歩夢がステアリングを握ることを明らかにしている。
 
 角田にとっては、予選に向けての準備の機会がひとつ失われることになるが、英国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』は「角田が今季23回の週末をこの車で過ごし、何度もテストも行なってきたことを考えると、シーズンのこの段階でFP1を欠場してもそれほど大きな影響はないはずだ。チームメイトのリアム・ローソンがコースへの慣れとセットアップの感覚という点でわずかに優位に立つだろうが、それによってユウキが失うものはさほど多くない」と楽観的だ。

 同メディアはさらに、注目されているレッドブルのシート争いにも言及し、セルジオ・ペレスの後釜候補と目される角田とローソンの対決については「週末にはニュージーランド人ドライバー側にトラブルが発生する可能性もあり、それが競争の条件を平等にすることも考えられる。しかし、シート争いは今週末のレースだけで決まるわけではない。来週のピレリタイヤテストも重要なポイントとなるだろうし、もし最終戦でペレスが大きな結果を出せば、それが判断を左右するかもしれない」と綴った。

 一方、メキーズ代表は「レッドブル昇格は、間違いなくユウキの目標だ。もしそれが実現し、それに私が少しでもその成功に貢献できたら、これ以上誇らしいことはない。それは我々の目標とも一致している。また、今年それが実現しなくても、それで終わりではない。来季完璧なシーズンを送れば、チャンスはまだあるということだ。彼の目標と我々の目標は完全に一致している」と、角田の昇格を後押しする姿勢を示している(オランダのF1専門サイト『RN365』より)。

 このところは一戦一戦のパフォーマンスや結果が去就の話題に結びついてしまう状況にある角田だが、それを抜きにしても、周囲に大きな成長ぶりを感じさせたシーズンを良い形で締め、来季のさらなる躍進に繋げることを望んでいるのは間違いなく、比較的相性の良いアブダビでの彼の働きには大きな期待と関心が寄せられている。

構成●THE DIGEST編集部

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