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フィギュア

世界女王・坂本花織と、3A着氷の16歳・島田麻央。見過ごせない大きな差があった両雄の“演技構成点”【フィギュア全日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.12.21

SP首位の坂本(左)と2位の島田(右)。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

SP首位の坂本(左)と2位の島田(右)。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 12月20日、フィギュアスケートの全日本選手権(大阪・東和薬品ラクタブドーム)は女子ショートが行なわれ、世界女王の坂本花織が78.92点をマークして首位発進を決めた。そして2位には、16歳の島田麻央がトリプルアクセルを着氷するなど高い技術点を叩き出して75.58点。両者の差はわずか3.34点と接戦の一方で、2人には見過ごせない大きな”差”があった。

 島田は冒頭、ジュニアカテゴリーでは許されないトリプルアクセルを投入。勝負をかけた。4分の1回転不足となったものの、現役女子高生はしっかり着氷。その後も3回転フリップ、後半のルッツ+トウループの連続3回転も完璧に降りて高いGOE(技の出来栄え点)をマーク。スピン、ステップも最高評価のレベル4を獲得してフィニッシュ後は珍しく両手でガッツポーズも飛び出した。島田は全体トップとなる技術点44.50点を記録したが、結果は前回女王に次ぐ2位で折り返した。
 
 一方、首位ターンの坂本はスケーティング技術、構成などでジャッジされる「演技構成点」が全体トップの37.26点をマークした。トリプルアクセルや4回転ジャンプといった大技は持ち併せていないものの、同選手は『ファイブコンポーネンツ』とも呼ばれる「構成力」「演技力」「スケート技術」「技と技のつなぎ」「音楽の解釈」の5項目で高い評価を得た。まさにシニアの強み、らしさを最大限に発揮した結果だと言える。ちなみに、島田の演技構成点は31.08点で全体11位。結果的に坂本との差は6.18点もあった。

 坂本は演技後、「大きなミスなくできて、ホッとしてます」と安堵した表情を浮かべながら、「自己ベストに近づいているのは嬉しい」と明かし、史上9人目となる4連覇に向けて前を向いた。表現力に勝る坂本に一歩及ばなかった島田は、「トリプルアクセルを降りるのが目標だったので嬉しかった」と笑顔で最初の大技を振り返り、「絶対やってやる!という気持ちだった」と、大舞台での着氷に声を弾ませた。

 22日のフリーでは4回転トウループを組み込む予定だと明かした島田。ジュニア世代での全日本優勝となれば、2003年の安藤美姫以来21年ぶり。16歳での初優勝ともなれば、自身の名前の由来になっているバンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央に並ぶ。

 互いの持ち味、カラーが存分に発揮された女子ショート。勝負のフリーは、どんな決着となるのか。実に興味深い。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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