笑顔のち涙の、”ラストダンス”を完遂した。
12月21日、フィギュアスケートの全日本選手権(大阪・東和薬品ラクタブドーム)は男子フリーが行なわれ、21歳の鍵山優真が合計297.73点をマークして初優勝を飾った。一方で、37歳のベテランスケーター・織田信成は234.68点の高得点を挙げ、表彰台まであと一歩に迫る4位と健闘し、最後の全日本を終えた。
11年ぶりの大舞台を笑顔で終えた。織田は冒頭の4回転トウループで転倒したが、すぐに気持ちを切り替えた。演技後半はジャンプでバランスを崩す場面もあったが、なんとか最後まで滑り切り演技を全う。フィニッシュ後は右手を氷に添える仕草を見せた。
キスアンドクライでは笑顔を振る舞いていた織田だが、ミックスゾーンに姿を現すと感極まり涙を見せる場面も。「感謝の気持ちでいっぱい。平坦な道ではなかったからこそ坂を駆け上がる力をつけられた」と話し、「豊かなスケート人生でした」と波乱万丈な現役生活を振り返った。
2013年の全日本選手権後に一度は現役を退いた。だが、22年11月に不退転の決意で現役復帰を果たし、ひと回りも歳の離れたスケーターらと氷上バトルを繰り広げた。
「やっぱりこの37歳という年齢でこのフィギュアスケートというスポーツと、もう1回向き合わなければ分からなかったことだったり、まだやっぱり体力的には厳しいなとか、自分の中でも発見があったりして。練習してる中でも苦しい部分があったんですけど、やっぱり練習からすごく楽しくて、復帰して良かったなと思います」
本当にこれが最後なのか? そう問われると、「ずっと最後や!って言ってるじゃないですか」と笑いながら、「本当にもう結構体が限界なので...ちょっとゆっくり休みたいなというところはありますけど。ただやっぱり、今回の全日本のような緊張感を味わうと、出たくないけど、この場で戦っていたいなという気持ちがすごくあって。あと20歳若返れたらいいのになと思ったりした」と様々な感情を抱いた胸中を吐露する。そんな慣れ親しんだ氷上だが、あらためて今回は「潔く引退する」と明言した。
ショートでは「マツケンサンバ」で観客を沸かせ、フリーでは円熟あるスケーティング技術を魅せた織田。この日会場に集まった5576人は、稀代のエンターテイナーの雄姿をしっかりと目に焼き付けた。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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11年ぶりの大舞台を笑顔で終えた。織田は冒頭の4回転トウループで転倒したが、すぐに気持ちを切り替えた。演技後半はジャンプでバランスを崩す場面もあったが、なんとか最後まで滑り切り演技を全う。フィニッシュ後は右手を氷に添える仕草を見せた。
キスアンドクライでは笑顔を振る舞いていた織田だが、ミックスゾーンに姿を現すと感極まり涙を見せる場面も。「感謝の気持ちでいっぱい。平坦な道ではなかったからこそ坂を駆け上がる力をつけられた」と話し、「豊かなスケート人生でした」と波乱万丈な現役生活を振り返った。
2013年の全日本選手権後に一度は現役を退いた。だが、22年11月に不退転の決意で現役復帰を果たし、ひと回りも歳の離れたスケーターらと氷上バトルを繰り広げた。
「やっぱりこの37歳という年齢でこのフィギュアスケートというスポーツと、もう1回向き合わなければ分からなかったことだったり、まだやっぱり体力的には厳しいなとか、自分の中でも発見があったりして。練習してる中でも苦しい部分があったんですけど、やっぱり練習からすごく楽しくて、復帰して良かったなと思います」
本当にこれが最後なのか? そう問われると、「ずっと最後や!って言ってるじゃないですか」と笑いながら、「本当にもう結構体が限界なので...ちょっとゆっくり休みたいなというところはありますけど。ただやっぱり、今回の全日本のような緊張感を味わうと、出たくないけど、この場で戦っていたいなという気持ちがすごくあって。あと20歳若返れたらいいのになと思ったりした」と様々な感情を抱いた胸中を吐露する。そんな慣れ親しんだ氷上だが、あらためて今回は「潔く引退する」と明言した。
ショートでは「マツケンサンバ」で観客を沸かせ、フリーでは円熟あるスケーティング技術を魅せた織田。この日会場に集まった5576人は、稀代のエンターテイナーの雄姿をしっかりと目に焼き付けた。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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