第101回箱根駅伝は１月３日、神奈川・箱根町から東京・大手町までの復路（109.6キロ）が行なわれ、往路優勝を果たした青山学院大が10時間41分19秒の大会新記録を樹立して２年連続８度目の総合優勝を果たした。原晋監督は４連覇を飾った2018年以来の連覇を完遂し、胴上げで８度宙を舞った。

　圧巻の強さで頂点に立った。青学大は２日の往路で１区10位スタートだったが、２区の黒田朝日（３年）が順位を上げ、４区のエース太田蒼生（４年）が２位にまで浮上。５区の若林宏樹（４年）がトップの中央大を逆転して、箱根・芦ノ湖までの５区を制した。

　山下りとなる６区は野村昭夢（４年）が２位の中央大に１分47秒差をつけてスタートし、56分47秒の区間新をマークする快走を披露。この区間では史上初となる56分台を叩き出し、襷をつないだ。この勢いを最後まで生かし、最後はアンカーに抜擢された１年生の小河原陽琉がリズム良く弾むような走りで大手町のゴールに笑顔で飛び込んだ。
  　青学大の強さに、かつて箱根ランナーとしてこの舞台を駆け抜けた識者も脱帽している。青学大３年時に往路５区で区間新記録を樹立し、「３代目・山の神」として駅伝ファンに親しまれている神野大地は自身のXに、「予想当たりました。『山を制するものが箱根を制す』」と投稿。往路を制した母校の総合優勝を喜んだ。

　さらに別の投稿では、「予選会を１秒差で通過した順大が本戦では７秒差でシードを逃す」と大会のレベルの高さに衝撃を受けている。続けて、「箱根駅伝に出ることの難しさ、シードを取る難しさを改めて感じました。そしてどこの大学もレベルが上がってる。調整力で全てが決まるくらい力は均衡してるように感じます」と私見を綴った。

　また、日本代表として４度の世界選手権に出場し、24年パリ五輪では男子マラソンの補欠に選出されていた川内優輝も箱根駅伝の結果に注目。特に「６区の56分台には驚きました」とXに感想を記し、「16年前の私の記録だと区間13位。そもそも21チーム中、19チームが60分切りは時代の流れを感じます」と投稿。学習院大時代に、関東学生連合の一員として箱根を走っているランナーだからこそ、近年の高速化に驚きを隠せなかったようだ。

　選手層の厚さを生かし、各選手が十二分に力を発揮して８度目の頂点に立った青学大。今大会の作戦名を『あいたいね大作戦』と銘打った原監督は優勝インタビューで、「最高ですね。これまでお世話になった高校の指導者、私を育ててくれた両親、社会人時代に私をイチから叩き込んでくれた古巣の中国電力の皆さん。いろんな方々に感謝の思いを込めて会いたい」と感慨に浸った。

◇第101回箱根駅伝　結果
優勝　青山学院大学　10時間41分19秒（★大会新記録）
２位　駒澤大学　10時間44分07秒
３位　國學院大學　10時間50分47秒
４位　早稲田大学　10時間50分57秒
５位　中央大学　10時間52分49秒
６位　城西大学　10時間53分09秒
７位　創価大学　10時間53分35秒
８位　東京国際大学　10時間54分55秒
９位　東洋大学　10時間54分56秒
10位　帝京大学　10時間54分58秒
-------10位以内がシード権-------
11位　順天堂大学　10時間55分05秒
12位　日本体育大学　10時間56分22秒
13位　立教大学　10時間58分21秒
14位　中央学院大学　11時間00分13秒
15位　法政大学　11時間03分16秒
オープン参加　関東学生連合　11時間06分53秒
16位　神奈川大学　11時間07分28秒
17位　専修大学　11時間08分53秒
18位　山梨学院大学　11時間09分40秒
19位　大東文化大学　11時間10分38秒
20位　日本大学　11時間11分50秒

構成●THE DIGEST編集部

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