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マラソン・駅伝

立教大・高林祐介監督から漏れた指導者の苦悩... 恩師の大八木弘明氏は箱根駅伝直前、愛弟子に何を語ったか? 63年ぶりのシード権逃すも「来年はいくんじゃないですか」

大田更紗(THE DIGEST編集部)

2025.01.06

駒澤大の大八木総監督(左)と立教大の高林監督(右)。ふたりは師弟関係にある。写真:JMPA/滝川敏之

駒澤大の大八木総監督(左)と立教大の高林監督(右)。ふたりは師弟関係にある。写真:JMPA/滝川敏之

「目標はシード権。10位以内」

 立教大の高林祐介監督は何度もそう口にしていた。

 1月2日・3日に行なわれた第101回箱根駅伝。立教大は10時間58分21秒で総合13位に終わり、63年ぶりのシード権を逃した。

 2区の馬場賢人(3年)や5区の山本羅生(4年)が好走し、往路は8位でフィニッシュ。しかし、復路7区の小倉史也(3年)が区間17位でブレーキとなり、シード圏外の13位に後退した。残り3区間での巻き返しを試みたが、そこから順位を上げられなかった。就任1年目の高林監督は、指揮官として初めて迎えた箱根駅伝をこう振り返る。

「良くも悪くもいい経験ができたし、課題も見えてきた。やっぱり自分の思考もアップデートさせていかないとちょっとキツイなって。選手たちがしっかりやってくれているのに、我々指導者やマネージャーの準備といったところが足りなかった。それでも、(立教大監督として)一年もやっていないなかで、ある程度戦えたっていうのはプラスに考えていいと思う」

 高林監督は駒澤大出身で、学生三大駅伝で7度の区間賞を獲得。名将・大八木弘明監督(現・駒澤大総監督)の薫陶を受けてきた。今年4月に母校のコーチから立教大の監督に転身し、同校を予選会トップ通過に導くと、初出場の全日本大学駅伝では7位でシード権を奪取。“大八木イズム”を継承しながら、独自のスタイルを融合させ、早くも手腕を発揮している。
 
 いつも明るい高林監督だが、実は悩みがあったという。箱根駅伝直前に相談を受けた恩師の大八木氏がその舞台裏を語ってくれた。

「もう大変さ。選手とコミュニケーションがうまくいかなかったり、愚痴ったところは正直ひとつあったけど...。それをまとめるしかないから、我慢してこの一年やるしかない。それで、また新しい年が来たら、もう一回自分のカラーを出しながらチーム作りをしたほうがいい。やっぱ信頼できるような指導者になっていかないと選手はついてこないから。『自分の言葉に責任を持って結果を出せ』と言った」

 また、惜しくもシード権に届かなかったことについて、大八木氏は「やっぱりそれも勉強だし、経験。いい時ばかりじゃないので、この経験を次に繋げていってほしいと思う」と教え子にエールを贈ると、「来年は(シード権)いくんじゃないですか。そういう指導者になってほしい」と願いを込めた。

 恩師の激励を受けた高林監督は、「そう簡単じゃないよ」と笑い飛ばしていたが、その表情からは名門復活に懸ける想いが伝わってきた。立教大の歴史が動く瞬間は、刻一刻と近づいている。

取材・文●大田更紗(THE DIGEST編集部)

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