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マラソン・駅伝

市山翼が日本人トップ2時間6分0秒の10位でフィニッシュ、残り2キロから逆転。注目の青学大・太田蒼生は失速【東京マラソン】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.03.02

マラソン初挑戦の青学大・太田(左)は途中で失速した。日本人最上位は市山(右)だった。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

マラソン初挑戦の青学大・太田(左)は途中で失速した。日本人最上位は市山(右)だった。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 3月2日、34年ぶりに東京で9月に開催される世界陸上の代表選考会を兼ねた東京マラソン(東京都庁前~東京駅前=42.195キロ)が午前9時10分に号砲が鳴り、市山翼(サンンベルクス)が日本勢最上位となる2時間6分0秒(10位)でゴールした。優勝はタデセ・タケレ(エチオピア)が大会歴代5位となる2時間3分23秒でフィニッシュした。
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 序盤は今年1月の箱根駅伝王者である青山学院大学の太田蒼生(4年)が昨年覇者ベンソン・キプルト(ケニア)、世界歴代7位の2時間2分38秒のタイムを持つデレサ・ゲレタ(エチオピア)ら世界トップランナーに先頭集団で食らいつき、最初の5キロを14分24秒で通過した。

 初のマラソン挑戦となる太田が15キロを43分29秒で通過し、日本記録を1分3秒上回るハイペースで快調に突き進み、第1集団を引っ張る。他の日本勢では昨年のパリ五輪6位入賞を果たした赤﨑暁(九電工)、日本歴代2位の2時間5分12秒の記録を持つ池田耀平(Kao)が第2集団で続いた。

 中間地点で太田が少しペースダウンして7番手に下がるも、日本新ペースは変わらず。トップと+10秒差で先頭はゲレタ、キプルトら世界トップランナー7人がけん引する。一方、第2集団は池田、赤﨑が同51秒差、浦野雄平(富士通)は同54秒差で追走。こちらも日本記録を意識した走りで上位を窺う。

 28キロ過ぎに太田のスピードが落ち、第2集団グループが青学大ランナーを吸収。そのまま太田は脱落し、日本人の上位争いは赤﨑と池田の2人に絞られる。一方、首位争いは前回大会3位のヴィンセント・キプケモイ・ゲティッチ(ケニア)、マラソン3戦目のタデセ・タケレ(エチオピア)、ゲレタの3人が争う展開となる。
 
 池田が30キロで日本記録を22秒上回るペース(1時間28分37秒)で通過。逆に赤﨑が遅れだし、池田が日本勢トップで走る。35キロ手前には浦野が赤﨑を交わし、日本人2番手に浮上した。

 40キロ手前に日本人の順位争いが変動する。池田が苦しい表情をみせ始め、2番手で走っていた浦野を今年の全日本実業団ハーフマラソン優勝ランナーの市山がかわす。さらに日本人トップを守っていた池田まで抜き去り、ついに逆転に成功。このまま市山が日本人上位を守りきり、フィニッシュに飛び込んだ。

 なお、太田は36キロで途中棄権。序盤は大きくレースを盛り上げたが、初マラソンは予想もしない形で終わった。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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