2025年F1世界選手権開幕前の、最初にして唯一の本格的な準備と調整の機会であるバーレーンでの3日間にわたる合同テストが先月28日に終了している。
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ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ(以下レーシングブルズ)も角田裕毅とアイザック・ハジャーの両ドライバーがそれぞれ3日間で211周(全ドライバー中6番目の多さ)、243周(2番目)と精力的に走行を重ねて多くのデータを収集した。
1分30秒497(3日目)という全体13番目となるベストタイムを計測した角田は、F1キャリア5回目となる合同テストを終えて、「この3日間は生産的な日々でした。特に最終日はロングランとショートランを組み合わせた、クオリティーの高いセッションとなりました」と語り、以下のようにコメントを続けている(フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』より)。
「ロングランのペースはかなり良さそうですが、このテストで最も重要なのは、手元にあるデータの有用性です。これによって、今後の開発において集中すべき領域が明らかになりました。この3日間で進歩できたし、個人的には冬の間、速い車を再びドライビングし(イモラでのテスト)、新しい車に乗り、他車と競り合えたことが素晴らしかったです。車を開発してくれたイタリアと英国のファクトリーのスタッフに感謝します。オーストラリア(開幕戦)に向けての準備は整いました」
一方、チーム代表のローラン・メキーズも、「このテストの準備のためにファクトリーのスタッフが払った莫大な努力により、シーズン前の最後のステップとして、この3日間を成功裏に終えることができた」との感謝の意を表するとともに、この合同テストをポジティブに振り返った。
「車に大きな問題はなく、多くの走行距離を稼ぐことができ、『VCARB02』について多くのデータを収集し、学ぶことができた。ドライバーたちも素晴らしい仕事をしてくれた。ユウキは常にやる気満々であり、アイザックは非常に速い学習者だった。かなり寒いというバーレーンでは珍しい気象状況になったり、少し雨が降ったりすることもあったが、これは全てのチームにとって同条件だった」
「メルボルンでは、より高い路面温度でのタイヤや車の動作への影響について、さらに多くのことを知ることができるだろう。その前に、(本拠地である)ファエンツァとミルトン・キーンズに戻って全てのデータを分析し、バーレーンでの結果がシミュレーターとどのように関連しているかを確認したい」
このように、ドライバー、チームともに十分な収穫があったと手応えも感じているようだが、現地メディアや有識者の見解は様々のようだ。英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、合同テストにおける全チームを査定し、独自の視点からランキングを発表。レーシングブルズは「7位」となり、以下のように寸評が綴られている。
「中団勢の中でも中位に位置していると表現するのが最も適切だが、スムーズにテストを終えており、グループの先頭からは現時点で数十分の一秒差といった僅差のところにいると言えよう。これは、シーズンをスタートする上で堅実な基盤となる。バーレーンでは、アンダーステアの問題を改善する必要に迫られたが、最終日に若干フロントの制限が見られたものの、大きな問題にはならなかった。とりわけ角田のドライビングでは、この車は競争力があるように見え、チームとしても長距離の走行で重要なデータを収集できた」
対して、このバーレーンでの走行から悲観的な展望を示したのが、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』で解説を務めたデイビッド・クロフト氏と元F1ドライバーのカルン・チャンドック氏だ。両者ともに、レーシングブルズを「最も失望したチーム」と厳しく評価し、前者は「絶望的な状況というわけではないが、この車が目覚ましく向上する兆しは見えなかったし、予選でトップ10の一角に食い込めるとも思えない。チームが目指しているのはそこなのに……」と語った。
一方のチャンドック氏も、「特に印象的なものが見当たらなかった。ハジャーの走りを見ても、車はまだ不安定で、バタついているように感じた」との印象を明かし、これを紹介した英国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』は「(この懸念に対して)角田とハジャーは、単にレーシングブルズがラップタイムを追求せず、改善すべき点に集中していただけであることを願っているだろう」と記述。そして、「両ドライバーが望まないのは、VCARB02が示した不安定さが、この車の本質的な特徴になってしまうことだ」と締めている。
構成●THE DIGEST編集部
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1分30秒497(3日目)という全体13番目となるベストタイムを計測した角田は、F1キャリア5回目となる合同テストを終えて、「この3日間は生産的な日々でした。特に最終日はロングランとショートランを組み合わせた、クオリティーの高いセッションとなりました」と語り、以下のようにコメントを続けている(フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』より)。
「ロングランのペースはかなり良さそうですが、このテストで最も重要なのは、手元にあるデータの有用性です。これによって、今後の開発において集中すべき領域が明らかになりました。この3日間で進歩できたし、個人的には冬の間、速い車を再びドライビングし(イモラでのテスト)、新しい車に乗り、他車と競り合えたことが素晴らしかったです。車を開発してくれたイタリアと英国のファクトリーのスタッフに感謝します。オーストラリア(開幕戦)に向けての準備は整いました」
一方、チーム代表のローラン・メキーズも、「このテストの準備のためにファクトリーのスタッフが払った莫大な努力により、シーズン前の最後のステップとして、この3日間を成功裏に終えることができた」との感謝の意を表するとともに、この合同テストをポジティブに振り返った。
「車に大きな問題はなく、多くの走行距離を稼ぐことができ、『VCARB02』について多くのデータを収集し、学ぶことができた。ドライバーたちも素晴らしい仕事をしてくれた。ユウキは常にやる気満々であり、アイザックは非常に速い学習者だった。かなり寒いというバーレーンでは珍しい気象状況になったり、少し雨が降ったりすることもあったが、これは全てのチームにとって同条件だった」
「メルボルンでは、より高い路面温度でのタイヤや車の動作への影響について、さらに多くのことを知ることができるだろう。その前に、(本拠地である)ファエンツァとミルトン・キーンズに戻って全てのデータを分析し、バーレーンでの結果がシミュレーターとどのように関連しているかを確認したい」
このように、ドライバー、チームともに十分な収穫があったと手応えも感じているようだが、現地メディアや有識者の見解は様々のようだ。英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、合同テストにおける全チームを査定し、独自の視点からランキングを発表。レーシングブルズは「7位」となり、以下のように寸評が綴られている。
「中団勢の中でも中位に位置していると表現するのが最も適切だが、スムーズにテストを終えており、グループの先頭からは現時点で数十分の一秒差といった僅差のところにいると言えよう。これは、シーズンをスタートする上で堅実な基盤となる。バーレーンでは、アンダーステアの問題を改善する必要に迫られたが、最終日に若干フロントの制限が見られたものの、大きな問題にはならなかった。とりわけ角田のドライビングでは、この車は競争力があるように見え、チームとしても長距離の走行で重要なデータを収集できた」
対して、このバーレーンでの走行から悲観的な展望を示したのが、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』で解説を務めたデイビッド・クロフト氏と元F1ドライバーのカルン・チャンドック氏だ。両者ともに、レーシングブルズを「最も失望したチーム」と厳しく評価し、前者は「絶望的な状況というわけではないが、この車が目覚ましく向上する兆しは見えなかったし、予選でトップ10の一角に食い込めるとも思えない。チームが目指しているのはそこなのに……」と語った。
一方のチャンドック氏も、「特に印象的なものが見当たらなかった。ハジャーの走りを見ても、車はまだ不安定で、バタついているように感じた」との印象を明かし、これを紹介した英国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』は「(この懸念に対して)角田とハジャーは、単にレーシングブルズがラップタイムを追求せず、改善すべき点に集中していただけであることを願っているだろう」と記述。そして、「両ドライバーが望まないのは、VCARB02が示した不安定さが、この車の本質的な特徴になってしまうことだ」と締めている。
構成●THE DIGEST編集部
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