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ラグビー

静岡ブルーレヴズの高卒ルーキーが選んだ独自路線 ラグビー強豪校→プロ&大学通学の二刀流での新たな成功例となるか? 【リーグワン】

向風見也

2025.03.08

長崎南山高から静岡ブルーレヴズに入団した本山。写真:向風見也

長崎南山高から静岡ブルーレヴズに入団した本山。写真:向風見也

 前例のないチャレンジだ。

 長崎南山高ラグビー部3年の本山佳龍は、今春、リーグワン1部の静岡ブルーレヴズに加わった。

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 過半数の実力者が大学へ進む日本のラグビーシーンにあって、高卒でプロ選手となるのは数例に止まる。
 
 もっともその隊列の中には、早くから大舞台を踏んだ面子も少なくない。流経大柏高を2020年度卒で現東芝ブレイブルーパス東京のワーナー・ディアンズは、19歳でテストマッチデビューを飾った。いまやナショナルチームの主戦級だ。

 いわば期待の星に遇される本山は、従来の高卒勢と違うチョイスをしたことでも注目される。プロ生活を送りながら、近隣の静岡産大のスポーツ科学部に通うのだ。教員免許の取得も目指す。

 かねてクラブは静岡産大と「産学連携協定」を結んでいて、スタッフが大学でラグビーの出張授業を行なうなど関係を築いていた。

 さらに本山のリクルートに携わった西内勇人採用は、競技活動の他の世界にもコミュニティを作って欲しいと考えていた。法大卒業後にブルーレヴズの前身であるヤマハ発動機ジュビロへ社員選手として在籍し、視野を広げた経験があるからだ。

 ちょうど出会った大人たちの想い、関係性に背中を押され、本山は、この春からグラウンドとキャンパスを行ったり来たりする。自動車の免許を取得したいとしながら、近未来を語る。

「最初は大変だと思うけど、徐々に慣れていきたいです」

 この年度末は、高校日本代表の候補キャンプ、若手育成機関のジャパンタレントスコッドプログラムと、招集される先々で複数の記者に囲まれていた。

 朴訥とした口ぶりで上昇志向を語る。

「レベルの高い環境でやると、自分もそのレベルに劣らないように強くならなきゃいけないという気持ちになります」

 身長188センチ・体重115キロと大柄だ。ポジションは、スクラム最前列の右プロップである。キャリアがパフォーマンスを左右しやすいであろう働き場にあって、身体能力が評される。その証拠に、他に取り組んでいた少年相撲でも実績を残していた。

 長崎南山高の久保田一平監督が、前身である元ヤマハ発動機ジュピロの伊藤力の兄だった。その関係で、高校には旧ジュビロのOBがよく訪れていた。それが縁のきっかけだ。
 
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