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格闘技・プロレス

UWFルールで激突した鈴木みのるvsエル・リンダマン “強さ”と“反骨心”という共通言語があるからこそ、どんなルールにでも踏み込める

橋本宗洋

2025.03.17

UWFルールでの対戦となった鈴木みのるとエル・リンダマンの試合。写真:橋本宗洋

UWFルールでの対戦となった鈴木みのるとエル・リンダマンの試合。写真:橋本宗洋

 前田日明、高田延彦、藤原喜明らを擁し、1980年代に大ブームを巻き起こした団体がUWFだ。

【画像】新日本の歴史を作ってきたレジェンドレスラーたちが集結
 ロープエスケープ、ダウンをポイント化し、ファイトスタイルは蹴りと関節技主体。一時は“強さの幻想”を新日本プロレスから奪ったと言ってよく、東京ドーム大会を成功させてもいる。
 
 UWFはリングス、UWFインターナショナル、藤原組の3派に分裂。さらに藤原組からはパンクラスが生まれ、90年代は総合格闘技が確立する時代となった。

 現在は、プロレスの1スタイルとしてUWFを追求する大会もある。佐藤光留主宰のハードヒットや新興団体GLEATの別ブランド、田村潔司が関わるLIDET UWFだ。

 LIDET UWFの現在のチャンピオンは中嶋勝彦。いわゆるU系の流れをくむ選手ではないが、だからこそ“現代のU”の幅の広さが感じられる。

 3月9日の新木場1stRING大会には、鈴木みのるが参戦した。新日本プロレスでデビューし第2次UWFに参加した後に藤原組、そしてパンクラスを旗揚げ。現在はプロレス界のトップに君臨する存在であり、かつてはUWFの歴史そのものの中で生きてきた。

 だが過去は過去。今回のLIDET UWF参戦にあたり、ルールやスタイルについて鈴木はこう語っている。

「プロレスはプロレス。オレがやることは一緒だな。UWFだからって、レガース着けてシュッて(打撃を)やらなきゃいけないことはない」

 そんな鈴木の対戦相手はGLEAT所属のエル・リンダマン。ドラゴンゲートでデビューし、独立後もCIMAたちと行動を共にしてきたから、UWF=格闘プロレスのイメージは薄い。GLEATでは通常ルール(G-REX)と2カウントフォールルール(G-RUSH)の初代王者になっている。

 その一方、試合中に“強さ”の片鱗を見せる場面もあり、LIDET UWF参戦に期待する声も間違いなくあった。昨年7月、青木真也戦でUWFデビュー。鈴木戦を前に、リンダマンはUWFルールで闘う理由を語ってくれた。

「UWFも本質はプロレスであって、それなら(通常ルールの)プロレスのほうが面白いと思ってます。でもUWFの試合をやりもしないで文句は言えないじゃないですか」

 リンダマンは柔道の強豪校出身。自分から語ることはないが、現在は青木真也たちのMMAの練習にも参加している。どんなルールであれ、プロレスラーには強さが必要だと
考えているからだ。

「そうじゃない人もいますけど、僕はそう思うということです。ウルトラマンは強い、仮面ライダーは強い。それと同じでプロレスラーも強いのが前提」
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