全日本プロレスでは世界ジュニアとアジアタッグ、ZERO1のジュニア二冠も獲得した。プロレス大賞の技能賞も。数多くの結果を出しながら、リンダマン自身は「プロレスの才能はないです」と言う。
「少しは運もありましたけど、量で押し切ってるだけですから。それでもここまではこれる。みんなが僕ほどにはやってないだけです」
量というのは練習量であり、プロレスについて考えてきた量だ。四六時中プロレスのことを考えて、単なる“プロレスをやる人”ではなく“プロレスラー”になりたい。リングに上がっている時間以外もすべてプロレスラーとして生きる。そのためにも強さが必要だとリンダマン。「今のプロレス界で強さを求めるのはタイパが悪いですけどね」と苦笑しつつ、それをやめることはない。
そんな“思想”は、実は鈴木みのるの影響下にある。リンダマンにとって、鈴木みのるは憧れだった。「UWFルールであってもプロレスはプロレス」という考え方も鈴木と同じだ。
今回の対戦、リンダマンは鈴木に憧れた者として鈴木に噛みついた。リンダマンが憧れたのは権威に反抗する鈴木みのるだ。若い頃の鈴木だったら、今の鈴木みのるに反抗するんじゃないかと言う。
鈴木みのるの本質は何も変わっていない。だがキャリアを重ね、結果を出し、知名度が上がることで必然的に権威を帯びる。昔と変わらない主張でも、立場が上になればそれはパワハラにもなる。
「偉そうにさせてちゃダメ。今の僕は鈴木みのるより鈴木みのるですよ」
リンダマンは若さと反骨心で鈴木に噛み付いた。自分が偉くなったのではなく「オレに向かってくるヤツが弱いんだ」と鈴木。リンダマンは言う。
「そう、鈴木みのる自身は何も悪くないんですよ。でも相手が鈴木みのるだとヘコヘコしちゃうヤツらがいる」
リンダマンが変えたいのはそんな状況自体だった。
UWFルールでの両者の試合は、厳しいペースの奪い合いになった。ペースを“世界観”と言ってもいい。反則となるレガースなしでのキックを放つ鈴木。リンダマンは観客にコールを煽りながら張り手。どちらも“UWFスタイル”の型をなぞる気などない。
鈴木みのるのプロレスとエル・リンダマンのプロレスをぶつけ合う。リンダマンによると、観客には伝わらない部分での攻防もあったようだ。それは2人の間に技術という共通言語が存在したということでもあるのだろう。リンダマンが強引にジャーマン・スープレックスで投げようとした場面は、若手時代の鈴木がアントニオ猪木に挑んだ一戦を思い起こさせた。
最後は鈴木がゴッチ式パイルドライバーでKO勝利。どんなルールで闘おうが、鈴木みのるは変わらない。ルールを踏まえて最大限、自由にやるだけだ。
「こんな窮屈なルールじゃなくて、普通のプロレスでやろうぜ」
リンダマンとの闘いが楽しかったという鈴木はそう呼びかけた。かつてパンクラスという最も窮屈な、競技としてのプロレス団体を作ったからこそ「自由」にも重みがある。
敗れたリンダマンも、鈴木戦に手応えがあったようだ。インタビュースペースではチャンピオンベルトを掲げてG-RUSHルールでの対戦をアピールした。曰く「鈴木みのるが知らない世界もあるぞ」。
鈴木とリンダマンには“強さ”と“反骨心”という共通言語があるから、どんなルールにでも踏み込める。両者の再戦がいつになるかは分からないが、G-RUSHルールであっても彼らに“不自由”はないだろう。
取材・文●橋本宗洋
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「少しは運もありましたけど、量で押し切ってるだけですから。それでもここまではこれる。みんなが僕ほどにはやってないだけです」
量というのは練習量であり、プロレスについて考えてきた量だ。四六時中プロレスのことを考えて、単なる“プロレスをやる人”ではなく“プロレスラー”になりたい。リングに上がっている時間以外もすべてプロレスラーとして生きる。そのためにも強さが必要だとリンダマン。「今のプロレス界で強さを求めるのはタイパが悪いですけどね」と苦笑しつつ、それをやめることはない。
そんな“思想”は、実は鈴木みのるの影響下にある。リンダマンにとって、鈴木みのるは憧れだった。「UWFルールであってもプロレスはプロレス」という考え方も鈴木と同じだ。
今回の対戦、リンダマンは鈴木に憧れた者として鈴木に噛みついた。リンダマンが憧れたのは権威に反抗する鈴木みのるだ。若い頃の鈴木だったら、今の鈴木みのるに反抗するんじゃないかと言う。
鈴木みのるの本質は何も変わっていない。だがキャリアを重ね、結果を出し、知名度が上がることで必然的に権威を帯びる。昔と変わらない主張でも、立場が上になればそれはパワハラにもなる。
「偉そうにさせてちゃダメ。今の僕は鈴木みのるより鈴木みのるですよ」
リンダマンは若さと反骨心で鈴木に噛み付いた。自分が偉くなったのではなく「オレに向かってくるヤツが弱いんだ」と鈴木。リンダマンは言う。
「そう、鈴木みのる自身は何も悪くないんですよ。でも相手が鈴木みのるだとヘコヘコしちゃうヤツらがいる」
リンダマンが変えたいのはそんな状況自体だった。
UWFルールでの両者の試合は、厳しいペースの奪い合いになった。ペースを“世界観”と言ってもいい。反則となるレガースなしでのキックを放つ鈴木。リンダマンは観客にコールを煽りながら張り手。どちらも“UWFスタイル”の型をなぞる気などない。
鈴木みのるのプロレスとエル・リンダマンのプロレスをぶつけ合う。リンダマンによると、観客には伝わらない部分での攻防もあったようだ。それは2人の間に技術という共通言語が存在したということでもあるのだろう。リンダマンが強引にジャーマン・スープレックスで投げようとした場面は、若手時代の鈴木がアントニオ猪木に挑んだ一戦を思い起こさせた。
最後は鈴木がゴッチ式パイルドライバーでKO勝利。どんなルールで闘おうが、鈴木みのるは変わらない。ルールを踏まえて最大限、自由にやるだけだ。
「こんな窮屈なルールじゃなくて、普通のプロレスでやろうぜ」
リンダマンとの闘いが楽しかったという鈴木はそう呼びかけた。かつてパンクラスという最も窮屈な、競技としてのプロレス団体を作ったからこそ「自由」にも重みがある。
敗れたリンダマンも、鈴木戦に手応えがあったようだ。インタビュースペースではチャンピオンベルトを掲げてG-RUSHルールでの対戦をアピールした。曰く「鈴木みのるが知らない世界もあるぞ」。
鈴木とリンダマンには“強さ”と“反骨心”という共通言語があるから、どんなルールにでも踏み込める。両者の再戦がいつになるかは分からないが、G-RUSHルールであっても彼らに“不自由”はないだろう。
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