ラグビー

大学選手権決勝から2か月余り... 早大前主将・佐藤健次が強豪埼玉WKで早くも主軸級に!「3試合くらい出られたら」がリーグワン公式戦で躍動中

向風見也

2025.03.21

2月のBL東京戦でも先発出場した佐藤。再戦での出場はあるか。写真提供:JRLO

 ジャパンラグビーリーグワンで昨季レギュラーシーズン首位の埼玉パナソニックワイルドナイツにあって、つい最近まで早大の主将だった佐藤健次が早くも台頭している。

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 2月9日、本拠地の埼玉・熊谷ラグビー場での第7節でデビューした。前年度のファイナルで屈していた東芝ブレイブルーパス東京との大一番に試合終了間際になって投じられ、28—28のドローを体感。ここから5戦連続でメンバー入りしている。
 
 アーリーエントリーという制度を用いてのことだ。一定条件を満たした卒業前の大学4年生は、このレギュレーションに沿ってリーグワンの公式戦へ出られる。

 最初のブレイブルーパス戦の約1か月前には、大学選手権の決勝を戦ったばかりだ。ワイルドナイツに合流して2週間ほどといったタイミングにもかかわらず、どのファイナリストよりも早くリーグワンの、それも各国代表経験者が集うトップ級のクラブでメンバーに絡んでいる。

「初めて合流した時は――もちろん(試合には)出る気で来ましたけど――3試合くらい出られたら...と思っていました。それがプレータイムをいただいたり、イーブンな試合に出させていただいたり。本当にいい時間が続いている」

 横浜ラグビースクール時代から大器と謳われ、桐蔭学園高の主将として全国大会2連覇を達成。いまは身長177センチ・体重105キロと大きくした体躯で、軽やかに駆ける。球を持つ際は人と人との間を巧みな足取りでかいくぐり、捕まってからもぐいと前進する。
 
 ポジションはフッカー。最前列中央にあたるいわば縁の下の役目を、早大2年時から担っている。派手さと距離を置かれがちなこの働き場にあって、多彩な動きを披露してきた。

 リーグワンでも、生来の魅力を発揮しているような。

 本人は、その見立てと異なる実感を述べる。「学び」が多いと語る。

「最初のほうは――まだいまも最初のほうなんですけど――最近は長いプレータイムを任せてもらった。当たり前ですが、(長時間)出れば出るほど学びが多い。どんどん(見つけた課題を)潰していきたいです」

 口ぶりは堂々。言葉選びは謙虚。

「うまくいってないところの方が多い。(リーグワンでは)ブレイクダウン(接点)、コンタクトの強度が大学までと違う。僕は身体が小さいので、色んなスキルを身につけて戦っていきたいです。まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあって、ちょっとも満足してない。早く、普通に試合ができるくらいにはなりたいです」
 
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「日本代表になれるような努力はしていますけど、まずはワイルドナイツで信頼を勝ち取るのが大事」