３月22日、今年７月に開催される世界水泳（シンガポール）の代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権が東京アクアティクスセンターで行なわれ、女子50メートルバタフライ決勝は池江璃花子が25秒41で優勝し、この種目の４連覇を達成した。また、池江は日本水泳連盟が定める参加標準記録（26秒23）を突破かつ上位２名に入ったため、20日に行なわれた100メートルに続きバタフライ２種目で世界水泳の日本代表に内定した。
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　センターレーンに立った池江は好スタートを切ると、平井瑞希と相馬あいの三つ巴の争いになった。25メートル付近で池江がトップに立つと、ぐんぐんスピードを上げてそのままフィニッシュ。派遣標準を突破し、100メートルに続く代表入りを決めた池江に会場は大歓声が上がった。
  　だがレース後、池江に笑顔はなかった。「このタイムでは全然メダルを狙える記録ではない。25秒前半で泳げたのは嬉しいですけど、（派遣タイムⅠの）25秒32を狙っていたので」と悔しさをにじませながら振り返った。

　この日の午前中には100メートル自由形にも出場し、午後の決勝進出を決めていたが、それを棄権。大会前から本命種目として絞っていた50メートルバタフライに全精力を注ぎ、集中力を高めて臨んだ。２位以内と派遣標準突破という最低ラインはクリアしたが、世界トップの強豪スイマーと戦う舞台を見据える彼女にとっては、まだまだ満足できる内容ではなかった。

　池江は自らが持つ日本記録（25秒11）を見据えつつ、「しっかり自分の持ち味を生かせるようないいレースをしていきたい」と語り、７月の大舞台に向けて表情を引き締め、さらなるパワーアップを誓った。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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