11年ぶりの快記録に会場が熱狂した。

　今年７月にシンガポールで開催される世界水泳の代表選考会を兼ねた競泳日本選手権の最終日（３月23日）が東京アクアティクスセンターで行なわれ、男子1500メートル自由形の決勝で17歳の今福和志（枚方SS／四條畷学園高校）が14分50秒18の日本記録を樹立し、初の代表に内定した。従来の記録（14分54秒80）を４秒以上も縮める泳ぎに会場は興奮に包まれた。
【動画】11年ぶり！男子1500メートルで日本新記録が出た実際の映像

　会場が徐々にザワついた。2014年６月20日に山本耕平さんがマークした日本記録のラップタイムを高校生スイマーが圧倒的にリードして刻む。ビジョンに映し出される日本記録ラインを大きく上回るハイペースで突き進む力泳に会場は釘付けとなり、今福がターンをするたびに歓声が増した。

　後続はもう誰も追いつけず、勝負は記録との戦いになった。残り100メートルを告げる鐘が鳴ると、今福は最後の力を振り絞る。新記録を確信したファンは大声援で17歳を後押し、今福がゴールタッチして日本記録を見事に樹立すると大きな拍手と歓声が沸き上がった。
  　偉業を達成した今福は「めっちゃ嬉しい。苦しかったですけど、応援してくださる皆様のおかげで頑張ることができた」と感極まった。

　NHK-BSで生放送した今大会。ネット上では11年ぶりの記録更新に「すげえええええ!!」「鳥肌立ったわ」「期待の星！世界水泳の代表入りもおめでとう」「長距離界に新星現る！」といった賛辞が続々。現役高校２年生が見せた圧巻の泳ぎに称賛が集まった。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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