3月20日から行なわれた競泳の日本選手権(東京アクアティクスセンター)は4日間の激闘を終えた。7月にシンガポールで開幕する世界水泳の代表選考会を兼ねた今大会は若手が活躍。最終日(23日)には11年ぶりに日本新記録が樹立するなど新世代の台頭が目立った。
【動画】11年ぶり!男子1500メートルで日本新記録が出た実際の映像
昨夏のパリ五輪で競泳日本代表が獲得したメダルは1個にとどまり、オリンピックで獲得したメダルの数としては2000年以降で過去最少だった。28年ロス五輪に向けて急ピッチでの立て直しが必要な競泳ニッポンはパリ大会で唯一となる銀メダルを獲得した松下知之、同大会の女子400メートル個人メドレー6位入賞の成田実生らが力強い泳ぎで優勝を収め、代表に内定。新世代の旗手として大きな存在感を発揮した。
松下はパリ五輪で表彰台に立った本命種目の400メートル個人メドレーで自己ベストとなる4分8秒61で初優勝し、前日の200メートル個人メドレーに続いて2冠を達成した。この種目を長年けん引してきた瀬戸大也が今大会棄権を発表し、日本の個人メドレーの新たな顔として期待される19歳はレース後、「この記録を夏に超えられる自信がある」と頼もしいコメントを残した。さらに「自分は国際大会には強い方だと思う。今まで憧れてきた萩野(公介)さんや瀬戸選手が築いてくださったメダルの歴史を受け継いでいきたい」と話し、競泳男子の新エースとしての自覚も芽生える。
女子では17歳で五輪に初出場した成田が大会3冠に輝いた。大会初日に行なわれた200メートル個人メドレーで池江璃花子が保持していた高校記録を0秒30上回る2分9秒68で優勝。さらに大会の大トリだった400メートル個人メドレーでも高校新記録(4分35秒39)を叩き出し、シニア勢を一蹴した。「ずっと目標にしていてラストチャンスで(高校記録を)掴み取れて嬉しい」と憧れの先輩超えを果たしたことに声を弾ませた。
今大会は背泳ぎにもエントリーして、課題であるバックを強化。練習の成果が結果に結びついたことで手応えを得た。「今までと変わらない感じの中でも、ペースが上がった。(個人メドレーの)2種目でどちらもベストと高校新で優勝できたのは最後の最後まで踏ん張ってできた。この結果をシンガポールにつなげていきたい」と自身2度目となる世界水泳の舞台を見据えた。
一方で、男子1500メートル自由形では、17歳の高校2年生・今福和志(枚方SS/四條畷学園高校)が日本記録を4秒以上も上回る14分50秒18で優勝する快挙を成し遂げた。400メートルと800メートルの自由形2種目と合わせて今大会3冠に輝いており、日本が国際大会で苦手とされる長距離種目で新星が爆誕した。今福は海などが舞台のオープンウォータースイミング(OWS)にも注力しており、普段の練習では1万メートルを泳ぐことも。「距離が5桁の数字は見慣れた」と笑い飛ばすほど、鍛錬を積み重ねてきた結果が大舞台で花開いた。
ほか男子200メートル自由形の決勝では、この種目の日本記録保持者である松元克央が欠場するなか、高校生の村佐達也(中京大中京高校/名鉄SC刈谷)が躍動した。前半は柳本幸之介が先行するが、泳ぎのテンポが変わらない村佐が後半で一気にかわすと、後続をどんどん引き離してフィニッシュ。1分45秒67の高校新記録をマークして初優勝を飾った。
パリ五輪の大惨敗から世代交代の過渡期を迎えている日本の競泳界。100回目の節目となる日本選手権は、次世代を担う高校生スイマーが続々と活躍する結果となった。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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松下はパリ五輪で表彰台に立った本命種目の400メートル個人メドレーで自己ベストとなる4分8秒61で初優勝し、前日の200メートル個人メドレーに続いて2冠を達成した。この種目を長年けん引してきた瀬戸大也が今大会棄権を発表し、日本の個人メドレーの新たな顔として期待される19歳はレース後、「この記録を夏に超えられる自信がある」と頼もしいコメントを残した。さらに「自分は国際大会には強い方だと思う。今まで憧れてきた萩野(公介)さんや瀬戸選手が築いてくださったメダルの歴史を受け継いでいきたい」と話し、競泳男子の新エースとしての自覚も芽生える。
女子では17歳で五輪に初出場した成田が大会3冠に輝いた。大会初日に行なわれた200メートル個人メドレーで池江璃花子が保持していた高校記録を0秒30上回る2分9秒68で優勝。さらに大会の大トリだった400メートル個人メドレーでも高校新記録(4分35秒39)を叩き出し、シニア勢を一蹴した。「ずっと目標にしていてラストチャンスで(高校記録を)掴み取れて嬉しい」と憧れの先輩超えを果たしたことに声を弾ませた。
今大会は背泳ぎにもエントリーして、課題であるバックを強化。練習の成果が結果に結びついたことで手応えを得た。「今までと変わらない感じの中でも、ペースが上がった。(個人メドレーの)2種目でどちらもベストと高校新で優勝できたのは最後の最後まで踏ん張ってできた。この結果をシンガポールにつなげていきたい」と自身2度目となる世界水泳の舞台を見据えた。
一方で、男子1500メートル自由形では、17歳の高校2年生・今福和志(枚方SS/四條畷学園高校)が日本記録を4秒以上も上回る14分50秒18で優勝する快挙を成し遂げた。400メートルと800メートルの自由形2種目と合わせて今大会3冠に輝いており、日本が国際大会で苦手とされる長距離種目で新星が爆誕した。今福は海などが舞台のオープンウォータースイミング(OWS)にも注力しており、普段の練習では1万メートルを泳ぐことも。「距離が5桁の数字は見慣れた」と笑い飛ばすほど、鍛錬を積み重ねてきた結果が大舞台で花開いた。
ほか男子200メートル自由形の決勝では、この種目の日本記録保持者である松元克央が欠場するなか、高校生の村佐達也(中京大中京高校/名鉄SC刈谷)が躍動した。前半は柳本幸之介が先行するが、泳ぎのテンポが変わらない村佐が後半で一気にかわすと、後続をどんどん引き離してフィニッシュ。1分45秒67の高校新記録をマークして初優勝を飾った。
パリ五輪の大惨敗から世代交代の過渡期を迎えている日本の競泳界。100回目の節目となる日本選手権は、次世代を担う高校生スイマーが続々と活躍する結果となった。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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