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格闘技・プロレス

「特別な力を持った選手」パッキャオの元アシスタントトレーナーが語る井上尚弥の"凄さ・階級・攻略法"

杉浦大介

2020.01.30

ボクシング、WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥。(C)Getty Images

ボクシング、WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥。(C)Getty Images

 バンタム級のトップボクサーを連破し続けている近年の快進撃がゆえに、WBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は世界的な注目ボクサーになった感がある。“モンスター”の今後の方向性と伸びしろは、大袈裟ではなく、海外の識者たちからも興味を持たれていると言って良い。

 強豪たちをも恐れさせる井上の最大の武器とは何か。攻略法は存在するのか。そして、4月に予定されるアメリカ本格進出後には、マニー・パッキャオ(フィリピン)、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)のような“米リングで活躍する海外出身のスーパースター”の域にまで到達できるのか。

 今回、名トレーナー、フレディ・ローチのアシスタントトレーナーだったマービン・ソモディオに井上に関する意見を求めてみた。ソモディオは全盛期のパッキャオをアシスタントとして支え、現在はカリフォルニア州に自身のジムを構えるフィリピン人トレーナー。これまで多くのアジア人選手も目にしてきただけに、井上のアメリカでのポテンシャルを語るのにも適した人物に思える。
 
――これまで多くの一流ボクサーを目にしてきたあなたから見て、井上選手の最大の長所とはどの部分でしょうか? 

MS : 井上は特別な力を持った選手です。最大の長所というと、やはり一撃で試合の流れを作るパワーが目を引きます。その部分が突出しているため、対戦相手は自身のボクシングをするのが非常に難しくなるのです。

――破格のパンチ力を持った選手が相手だと、思い切った攻撃は難しくなります。井上選手のパワーもその域ということですね。

MS : パンチ力だけではなく、井上は身体全体にも力があり、それでいて技術の下地も備えているのが印象的ですね。おかげで見ていても面白い試合をすることができ、ファンを魅了することが可能になっています。総合的に見て、“モンスター”というニックネームに相応しい力を持っていると考えています。 

――仮定の話ですが、今後、あなたが育てたボクサーが井上選手に対峙するとして、モンスター攻略のために必要なものは?

MS : 井上と戦う選手にとって、大事なのは一瞬たりとも集中力を切らないことです。実際に何をするかはその選手がどういったタイプかにもよりますが、井上はどんな状況でも一発で流れを変えるだけのパンチを持っているので、常にそれを警戒しておかなければいけません。一時的に良い流れになっても、余裕を持って流すような時間帯は作れません。どんなスタイルの選手であれ、集中を持続するメンタル面のタフネスが鍵になってくるでしょう。
 

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